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        ここは“にゃんこのしっぽっぽ-猫的徒然話”です。 ここでは猫好きな管理人の趣味大爆走で御送りする、 ねこねこしたブログになっていくでしょう。 ちなみに、やはり愛猫ももちゃんが出現する率は高いです。
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HN:
ささら 由羅
性別:
女性
趣味:
創作とか♪多趣味。
自己紹介:
どうも、ささら由羅と申します。COOLな猫好きな人間です。(まわりの人間いわく猫狂い、猫キチガイ)。
愛猫は、ももと申します。可愛らしく、そしてナカナカ気のつよ~い女の子でございます。どうぞ、よろしくお願いします。
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ももとの最後の思い出ー回想記6

続きます。

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11月30日 朝  ももちゃんー寺へ行く前のお別れ

「あら~、おしゃれな棺桶ね~。でも、ちょっと大きすぎない?」
能天気すぎるぐらいの母親の声がやたらに響いてカチンとする。
「燃やしちゃうのが勿体ないわねえ…」
わざと神経を逆なでしたいのか、母親はそんなことをいう。
「…。棺桶を用意してくれたの?」
私の声はえらく尖った声になっていた。本当にイライラとした。
「え、そんなもの用意してなんかないわよ」
ぽかんとして、寝間着姿のいまいちな格好の母親はいう。
「用意もしてないのに文句を垂れられて、ケチ付けるっていうのはなんなんだろうね…」
正直に言うと母が物凄く憎たらしかった。
「何、怒っているの?」
「別に怒っているんじゃないよ。呆れ返っているだけ」
本当に私は物凄くあきれ果てていた。

更には母親は、
「ももだから、ピンクのガムテープでがっちり閉めないとね~」
とか、けらけら笑って言ってくる。
「ちょっと待ってよ。それは可愛そうじゃないか? 最後なんだから…。がっちり閉めるってなんだよ…。少しはこの我が家を感じさせてあげたいじゃないか?」
「えー?死体が飛び出しちゃわない?」
笑っていうことか、母よ?
「まず大丈夫でしょ。かなり深さもあるんだし」
箱の高さは30cmはある。
「それにがっちり閉めるって…。なんか密閉されて可哀想じゃないか?」
「もものことについては、本当に気を遣うのねえ~」
母親はなんだか厭味ったらしく言う。
「大事な御方だからね」
「あっ、そう…」
なんだか知らないが、母親は母親で私にイライラしているらしい。
「何をいいたいんだか知らないけれど、不必要なくだらない事ならいうのはやめてくれ。そういうのは、おかーさんの大事な友人とやってきてくれ」
「え、そんなことしたら、友達がかわいそうでしょ?」
母親は驚いたように言う。
じゃあ、私ならいいのか? おそらくいいというだろう、この人は。
わかりきっていることだ。
「だからって、私に絡まないでくれる?くだらない。少なくとも今日はいらいらさせないでくれ。今日はももちゃんとの最後の別れなんだから。
もっともそれを押してでも、私はおかーさんの話とやらに付き合わないといけないか?
あまり重要そうなものはないと思うけどね。重要なら仕方ないから、残念だけど聞くけど…」
私はえらく無表情に淡々といっていたと思う。
母親はなんだかむっとしていた。でも、知るかと思う。
まあ、こんな調子なので、えらく機嫌も悪くなる。
穏やかにももを送り出してあげたいのに、なんでこうなるのだろう…。
そんなもので、朝ごはんなんか食べたって、そんなもの何が出たかなんて覚えているわけでもない。今となって思いだしても、”なんか食事”だったぐらいである。


「お寺にももを持っていく前に、となりのENDOWさんに、ももを見せてあげよう。ももを大切にしてくれたし、ももがお世話になったかただしな…ももだって、最後のお別れしたいだろう…」
何を食べたかまったく思いださない食事後、父親がそんなことをいった。
「そりゃそうだね…。ももがお世話になったわけだし、ももだって、最後のお別れぐらいしたいでしょ…」
ももちゃんはENDOWさんが大好きなのだ。
何せ、ももちゃんは、時々我が家を抜け出し、ここの御家におじゃましているぐらいである。
ももちゃんは、そこでENDOWさんの家で、御一家と一緒に花を観賞している仲なのである。
そして、とてもENDOWさん夫婦は、ももを大事になさってくれていたのだ。
ももちゃんにとっても大事にしたい人達なのだ。もう態度でわかる…。
「このピンクのタオルでもおせわになったしな…」
父親はいう。そのピンクのタオルにつつまれて、ももは気持ちよさそうに寝ているみたいだった。本当に何度見ても死んでいるように見えなくて、何度も確認してしまう。
「いこう…」
「ああ、そうだな」
そういって、私と父親は、ももを持ってとなりのENDOWさん宅へいった。


「おはようございます。ENDOWさん。ももの最期のお別れでやってきました…」
ももの棺桶を抱えていた父は、そっと玄関先の床にそれを置いた。
ENDOWさん夫婦はすぐに、うちのももを見てくれた。

「ももちゃん、本当に亡くなったのね…」
ENDOWさんの奥さんは、なんともいえない悲しい顔をして、花や好物にかこまれて、ピンクのタオルにつつまれたももを見ていった。
「まるで、安心しきって眠っているだけに見えるのに…」
声は涙が含まれていた。
本当に、ももは眠っているようにしか見えない…。
「…。うん…。声かけたら、起きそうなのに…、ううーんとかいって、起きそうなのに、もう、起きないんだ…」
「本当に、ももちゃん綺麗だねえ…。たまちゃんは、もうボロボロであの世にいっちゃったからね…」
ENDOWさんの奥さんはいう。

「たまちゃんは、苦しんで死んじゃったから、それから比べると、ももちゃんは本当に綺麗だよ…」
ここのENDOWさん宅で飼われた猫であるたまちゃんは、闘病の末亡くなったのだ。
闘病の末、苦しみながらぼろぼろになってしまい、亡くなったらしい…。
結構前の話だ…。もうずいぶん経ったと思う。
確か弾はその時17歳か、18歳ぐらいであった。
「ももちゃんはね、たまちゃんが亡くなってから、時々来てくれるようになったの。それも、ちゃんと玄関から、うちに入ってきてたの…。うちでお花を見て、私やうちのお父さんの相手をしてなごんでいってたの」
奥さんは更にいう。
「玄関から入るってあたりが人間ぽいというか…」
なんだか、それがももらしくて泣けた。私は不覚にも泣いてしまう…。
「お行儀いいねこちゃんだったのよ、ももちゃんは…。玄関で呼び出して、開けるとおじゃましますって感じで入ってくるのよ…」
「なんていうか、いつのまに覚えたんだ???と思うけど…」
本当にももは人間の作法というかマナー?を、どうにも覚えているところがあった。
人間臭くて、かわいい猫なのだ。
「まあ、ももだから、人間の事は覚えちゃったからな…」
と父親はいう。ああ、19歳と4カ月のキャリアは流石であるということか…。

「癒されたよ、ももちゃんには…」
奥さんはいう。
「ももなりにわかっていたんだろうな…。たまちゃんがいなくなったことも…。で、元気になってほしくて、行ってたんだね…」
私はいう。そういうしかない。

「うんうん…時々ね、遊びにやってくるのよ…」
「最近はもう、病気の関係でお外に出ないようにってしてたから、多分スキをみて、やってきたんだね…。いったいどこにスキがあるかと思うぐらい、巧みに外へ出ちゃうのだものね…もう、凄かったよね…。でもごめんね、ももちゃん。私はももの病気の関係上、外に出すのをほいほい許可するわけにはいかなかったんだ…。ごめんね、ごめんね…」
どうしようもなかった。
「それはわかっているよ、ももちゃんは…」
「獣医にも注意されたし、私はももを守りたかったし、どうにも…。守るためには仕方なかったけど、ENDOWさんちにいきたかったんだろうな…。もも、ごめんなさい…」
本当にこれは申し訳なかった…。もものことを考えた行動だったし処置だったけど、ももはどう思っていただろう? 
「わかっているよ、ももちゃんは…」
奥さんはいう。
「ももは、ENDOWさんのこと大好きだから、もっといっぱい会わせてやればよかった…」
本当にぼたぼた涙がこぼれる。
「何をいっているのよ。ももちゃんが大好きなのはあなたでしょうよ…」
「そうかあ???」
思わす奥さんの顔を見た。
「見ていればわかるよ…。ももちゃんはいっつも綺麗で、時々、首輪も変わっていて、御守りもついているし。愛されているなってもうわかるわよ…。こんだけ、猫に愛情を注いでいるんだもの…。ももちゃんは、あなたのことが大好きだよ…」
涙がぼたぼたこぼれた。
「そりゃあ、できるだけのことはしてあげたいもの…」
「可愛い首輪、いつもしているのね…。この、いま、ももちゃんがしている首輪もかわいいもの…」
ENDOWさんは、ももに付けていた首輪が変わっていたのも気づいていた。

「…。これ、新年になったら、ももに付けてあげようって、思ったんだ…」

そうである、今、このももに付けてある首輪は、私がももの為に買った首輪だ。
新年に付けようと思った。首輪だ。これは、ももが死んだ翌日に付けたのだ。

「ももが、亡くなった時、俺はもう、ももの人生が終わったわけだから、自由にしてあげようって首輪を取ったんだけど、由羅がね”そんなことしたら、ももが捨てられたって思って悲しくなるでしょう”っていって、この首輪付けたんです」
父親がそう告げた。
「ももちゃん、喜んでいるよ…」
奥さんはいう。
「…。ももには何もしてあげれなかったから、せめて、新年につけるはずだった首輪ぐらいつけてやろうと思ったんだ。そのかわりといっちゃなんだけど、今までの首輪は形見にもらったんだ…」
「うんうん…。ももちゃん、首輪かわいいよ、似合うよ…」
そういって、奥さんはももの頭をそっと撫でた。
「その首輪は俺もいいと思う。付ける以上は、変な首輪なんかつけたくなかったんだ…」
更に父親はいう。
「ももちゃんは、いつもいい首輪してたものね…。で、時々変わると、おねーちゃんが変えたんだなと思って見てた…」
ENDOWさん(旦那さん)もそんなことをいう。
「ももちゃんも、首輪ボロボロにしちゃうから時々変えないとね…」
本当にそうなのである。動きがアクティブなせいか、ももの首輪は結構痛んでしまうのだ。
で、私は、どんな首輪がももには似合うかなと、いろんなお店で探していたのである。
「今思えば、もっといい首輪買ってあげればよかったね、もも…」
本当にそう思う。
値段がリーズナブルなものも、ちょっと高いものも買った。
だけれど、もっと高級な首輪を買ったら、ももは喜んだかな…?そんなことを思う。
してあげれなかったことが、ばんばん頭に浮かんできた。
こんなに酷くあっけなくあの世にいってしまったももだから、もう、ももの為にしてあげたかったことが、またどんどん溢れてくる。

「ももちゃん、喜んでいるよ…。こんなに安心しきった顔で寝ているんだから…」
「こんなに和むような顔しているから、どうしても死んでるようにみえないんだよ…。わかっているけど、ももちゃんって呼んじゃうんだよ。でも何度呼び掛けても起きないんだ…」
自分でもわからないうちに言葉が出てくる。
「本当に死ぬ前は化け物かっていうぐらい凄まじい顔になっていたんだ。相当苦しかったんだと思う…。慌てて抱きあげて、ももちゃん、ももちゃんっていって、でもこうしちゃいられないって、籠をもってきて獣医さんに連れて行こうと思って…、死ぬなんて思えなかったんだ…」
本当に死ぬなんて想像できなかった。
苦しんでいるだけだ、だから急がなきゃ!そう思っていた。
「死ぬなんか思わなかったから…、こんなことならずっと抱いてあげればよかったっ!獣医さんに連れて行かなきゃなんて考えないで抱きしめてあげればよかった…」
また涙はぼたぼたこぼれる。

「それは仕方がないよ…それは…」
奥さんはそういってくれたが、やはりこれは後悔しかできない。
もし、そうしてれば少しは良かったのではないだろうか? 
一瞬床に置いたことで、ももは見捨てられたと思ったのかもしれない…。
気が付いてすぐにだきあげたけど…。
「ももを床にそっと置いて、籠取りに行こうとしたら、動かなくなって、慌てて駆け寄って抱き上げたら、ももちゃん、私を見てふっと軽くなったんだ…」
もう、あの感触は忘れられない。あのふわっとすーっと何かが消えていくあの感覚は忘れられない。あの儚過ぎる喪失感は、本当に無情で虚無なのだ。

「あっという間に、ももの目から光が消えて。、最期にももが見たものは、私だったんだ…。でもって、化け物みたいな顔があっというまに、いつもの美形なかわいいももちゃんに戻って、穏やかになっちゃって…。苦しんでいたことが嘘みたいにさ…。で、もうぐんにゃりとして、いつものぐんにゃりじゃない、ぐんにゃりで…、流石に私は狂ったと思う…」
本当にぐんにゃりなのだ。無慈悲なぐんにゃりなのだ。
魂の欠片すらない無慈悲なぐんにゃりなのだ。
「ももちゃん、大好きな人に抱かれて亡くなられたのね…。由羅ちゃんのこと大好きだから、嬉しかったよ、幸せだよ…。だから、こんなに穏やかな顔なんだよ…」
奥さんはそういって、ももの頭をふたたび撫でる。
「本当にきれいでかわいいねえ…。」
「ももは美形な猫だから、最期まで美猫でいたかったんだ…」
ももは死んでもももなのだ。揺るぎなくももなのだ。

「ももは死んでも、しばらくずっと柔らかいまんまで、しなやかだったんですよ。普通すぐに硬くなっちゃうのに、不思議なぐらいずっとやわらかいまんまで…。きっとみんなに撫でてもらいたかったから、綺麗なまんまでいたんだよな…」
父親がまた繰り返す。
「本当に死んだように見えないよ…。ただ、ぐーぐ寝ているようにしか…。このまえ、ももちゃんは2日間連続で、我が家に来たから珍しいって思ったら…、珍しいこともあるんだなって思ったら…」
旦那さんが、思いだすように言う。
「ENDOWさんが好きだから、会いに行ったんだね…」
私のスキを見て、ももはENDOWさんちにいって、和んで癒しをあたえて、また我が家に戻ってきてたんだ…。私に「ただいま帰ったよ」という顔をして…。
私は「もう、腎不全なんだし、体調の事もあるし、獣医さんにも外に出さないようにって注意されているのに…」をぶつくさいいながら、結局ももを撫でていた。
ももは、うふふという顔をしていた。まるで、「まだまだだね」という顔をして…。
おそらく、ももは私の気持ちもわかっていたけど、ももの思いは止められるわけはなかった。
けれども、もしものことが起きたらと思うと、私はやはりももちゃんを外に出してあげるのは、制限せざるを得なかった…。

もう、最悪の事態が起きてしまった今では、もっと自由にさせてあげれば良かったと、泣くしかできない…。でも、何がベストだったのだろう???
もう、外からももが帰ってきて、「お外出ちゃダメでしょう…」と私が言って、ももが「にゃあ」といって、おでこをすりすりする姿はもう二度と見れない。
ももは、私を置いてあの世に行ってしまったのだ…。
3年前、私の傍にいてあげるからと、頑張って復活してくれたももは、今回は奇跡を起こすことなく、今度は超特急であの世にいってしまったのだ。
まるで、3年間延長したから、ばいばいとでもいわんばかりに…。

「ももちゃんも、ちーちゃんもいる、たまちゃんもいる、ジョンもいるお寺に行くんだね…」
奥さんはいう。そう、そこにももちゃんはいくのだ。連れていきたくないけれども。

ちなみにジョンは、たまちゃんの前に、かなり大昔にいたENDOWさんちで飼ってらした大きな柴犬である。
私が幼少期のころの犬だった。でかくて、吠え方も怖かったけど優しい犬だったと思う。
「まだ、行かなくてもいいのにね。私を置いていっちゃうのね…。ももちゃんは…。私が60歳になるまで生きてろっていってたのに…」
「あ、あんた、そりゃ、いくらなんでも無理でしょ…」
奥さんは脱力して言う。私以外が脱力する。
「ちーちゃんはにゃ~って答えてくれて、ももちゃんは、にゃ~といってもくれて、ふふって笑って答えてくれたけど、ふたりとも、いっちゃった…。私を置いていっちゃった…」
「それはちょっと無理だろう…」
父親がツッコミをいれる…。まあ、確かにそんなことができたらギネス記録なんて、はるかにぶっとんだ長寿猫になるだろう。

「でも、すっと生きててほしかった…。いっしょにあの世は行きたかったな…」
私はそう思う。今だってそう思う。

「きっと、ももちゃんを迎えに、ちーちゃんも、たまちゃんも来てくれるよ」
奥さんは慰めるように言う。
「だねえ…。ももはワガママだから、ちーちゃんだけだと心配だって、たまちゃんも来てくれそうな気がする。たまちゃんは、何せうちの、ちーちゃんとももちゃんの面倒を見てくれた、できた猫ちゃんだからなあ…。猫ができている猫だからなあ…」
「あらあら…、たまちゃん凄い猫になっている…」
少しだけ奥さんは笑って言う。
「いや、何せ、うちのももが唯一仲良くできた猫がたまちゃんだったです。ももちゃん、うちに来てから、他の猫とは仲良くすることはなくてね…。ももちゃんは猫嫌いだったんだ…」
「あら、そうだったの?」
「なんていうか、自分の家族以外の猫で、仲良くしたのは、たまちゃんだけだったんだよ。もう、うちのももちゃんは、あるとあらゆる猫に容赦なくてね…。そのかわりといっちゃなんだけど、人間には結構愛想がよかったんだけど…。」
本当にそうなのだ。猫嫌いで、人間大好きなももちゃんなのだ。
「本当にたまちゃんは猫が出来た猫だから、ももちゃんが仲良くできた唯一の凄い猫だったんだ…。本当にありがたい御方でした。ありがとうございます」
「いえいえ、たまちゃんにも仲良くしてくれて…」
「きっと、たまちゃんにお世話になったから、ENDOWさんちにお邪魔しますってなったのかもな…。ももちゃんなりに、そうしたかったんだな…」
私はそう思った。
「…。ももちゃんは癒しだったね…。ホント、たまちゃんが亡くなってからくるようになったのよ…。玄関で鳴いて、呼び出して、ドアを開けると入ってきたの…。で、居間で一緒にのんびりして、お花を見て、見てないときもあったけど、和んで癒してくれたの…」
「ももなりに、ENDOWさんに元気になってほしかったから、いってたんだね…。 そんな気がする。ももは、ももは、ツンデレだけど優しい猫なんだ…」
もう、情けないぐらい涙は出ていた。

時間は容赦なく過ぎていった…。

「ももちゃん、あなたは立派な猫だよ。素晴らしい猫だよ。こんなにみんなに愛された猫なんだよ。知っているか…? こんなに愛されているのに、あの世にいきなり行くなんてあんまりだよおおお…」
ももちゃんは、まるでわかっているよといいたげな顔で眠っている。永遠に覚めない…。
「私はももが死んだこと、わかっているけど、認めたくないんだあっ!」
もう、泣くしかできない…。いったい私の涙はどれだけあるのだ?
もう、ぼたぼたこぼれる。私はこんなに涙腺の大破したよわっちい人間なのか?
それなりに強いと思っていた私は、ももによって作られた幻か?

「もも、もも、もも…」
(もも、もも、もも…)
心だろうが声だろうが、ももの名前を唱える様に、繰り返す…。
呼んでも、もう二度とももは反応しない。返事しない。可愛くうにゃともいってくれない…。
わかっているんだ、わかっているんだ…。

もも、わたしは、もうどっか壊れちゃったよ…。
それとも私は、ここにいる私は本当に生きているのか???

生きている、生きているけど、それが何なのだ?
壊れていくよ、壊れていくよ…

そんなことが頭の中を駆け巡る。ももとの思い出も駆け巡る。
すべてがぐしゃぐしゃになる…。
辛うじてぶっ飛ばない理性が、自分を自分でいさせてくれた。

「じゃあ、そろそろいきますね…」
ENNDOWさんとのもものお別れの時間も過ぎた。泣きそうになりながら、ENDOWさん夫妻は見送ってくれた…。

やがて、私は父の車に乗った。膝の上には、棺桶に入ったももを抱いて…。
「もも、いこうか…?」
こんな、残酷な日があるだろうか…。 
そんなことを思うが、それに関係なく、車は走るし、時間もどんどん過ぎていく…。

無情だな…。
そう、ただただ思うのだ…。


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ももとの最後の思い出ー回想記7 に続きます。

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