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        ここは“にゃんこのしっぽっぽ-猫的徒然話”です。 ここでは猫好きな管理人の趣味大爆走で御送りする、 ねこねこしたブログになっていくでしょう。 ちなみに、やはり愛猫ももちゃんが出現する率は高いです。
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ささら 由羅
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女性
趣味:
創作とか♪多趣味。
自己紹介:
どうも、ささら由羅と申します。COOLな猫好きな人間です。(まわりの人間いわく猫狂い、猫キチガイ)。
愛猫は、ももと申します。可愛らしく、そしてナカナカ気のつよ~い女の子でございます。どうぞ、よろしくお願いします。
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ももとの最後の思い出ー回想記2

続きです。

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11月29日 夜 

夜になり、弟にスマホをかけることにしました。昨日の時点で、スマホなメールで連絡は入れておいたのですが、なにも反応がなかったのです。
私はとてもしゃべることなど、できなかったので、メールで連絡をしたのです。

が、仕事が急遽夜勤になってしまったのか、弟は昨日帰ってこなかったのでした。
にしても、まったく連絡がないのもおかしいと思い、スマホをかけました。
翌日が火葬をする日だったので、万が一あえなかったなんていうオチになってしまったらシャレになりません。念のために連絡をすることは問題はない。そんなことを考えてたかと思います。

「もしもし…?」
繋がったところを推察するに、どうやら小田急線形のわりと賑やかな駅でした。
「ん~? どうしたの?」
弟はのんびりとスマホに出ました。
「今日帰ってこれるよね?」
自分の声が、なんかものすごく硬質にカラカラ乾いているように聞こえました。
「そりゃあ、帰る予定だけど…??? どうしたの??? なんか、ね~ちゃんおかしいぞ」
私の様子が変だというのは、なんだか弟も気づいたようでした。
怪訝そうに彼は聞きました。
「おかしくもなるよ。ええっと…、昨日メール、スマホに出したんだけど、見てないか?」
「え、来てたの??? 気づかなかった…」
弟の声が頭にごおおおおおんと響きました。

なんということだ、弟は知らなかったのか…? だから、だから、こんなこんな…。

私の思考はすでになんか壊れていた気がします。

「いったい、どうしたんだ???」
弟は怪訝そうに私に聞きます。
「そうか、知りようがないから、そりゃあそうだね冷静でいられるんだ。私の失策だ。ええとね。私もどうかしていると思うんだがね、それはいいや…。あのね、ももが死んだの…」

「え…???」
「だからね、ももが死んだの…。昨日突然死んだんだ。あっというまにね…」
「えええ??? ももが??? ももがどうして死ぬんだよ???」
弟の声が一瞬止まって、愕然とした声になっていた。
「わ、わたしが、そんなの聞きたいよ…」
私から、ボロボロ涙がこぼれた…。
「あっというまに、凄い勢いであの世にいっちゃったんだ…。ほんの30分前には、窓辺で、窓辺で…、優雅にのんびりと、はっちゃんそっくりな野良猫みてたんだよおおお… うぎゅっ…」
こらえきれなくて、言葉はぐしゅぐしゅになってきた…。
「ええ、どうして、ももがっ???」
「もう、どうしたらわからなくて、お前に電話もかけれないから、メールをなんとか飛ばしたんんだ。でも、とどいてなかったんだね。ごめんね、ごめんね…」
「いや、俺も気づかなかったから…」
弟も、茫然として、もう途方にも暮れているようだった。

「今日は意地でも帰ってきて…。頼むから帰ってきて…。帰ってきてから、説明するから…。もう、今説明しても、説明にならないよ。ごめん…」
「帰るから、待っててくれ…」
「はやく、帰ってきて…」
そういって、私は電話を切った…。本当に心底、弟に早く帰ってきてほしかった。
このままでは、自分がぶっ壊れて、狂って、おかしくなって、消滅するような気がした。

電話を切ったあと、父親と母親がなんか言ってきたが、もう何がなんだかわからなかった。
ただ、母親の
「メール出したのに、とどいてなかったのお~???」
という声や、
「直接、電話すればよかったのに、あっ、でも仕事の邪魔になっちゃっていたかあ~?」
とかいいっていた声を聴いたと思う。


1時間後、弟が帰ってきた…。

「ももが、死んだって、本当なの???」
玄関に入ってくるなり弟はそう言った。顔は信じられないとといった顔である。
そりゃあ、信じられないだろう。
「私も嘘だと思いたいんだ…。どう見ても死んでいるように見え…見えないんだよ…???」
私は、また涙がこぼれそうになる。

「ももは何処…??? いるんでしょ???」
「うん、整えておいてあるよ」
努めて、弟は冷静にいった。
「見ていいの?」
「見ないでどうするんだよ、頼むから見てくれ…」
私は、弟をももの眠る窓辺に案内した。

「もも…??? もも…???」

乾いた弟の声が響いた。
「おいおい…。どう見ても、いつもみたいに寝ているようにしか見えないんだけど…」
「私もそう思う…」
何度見ても、ももは優雅にぐっすり呑気に眠っているような姿にしか見えないのだ…。
「でもね、でもね、全然起きないの…。なあんにも起きてくれないの。動きそうなのに動かなくて…。でも死んだはずなのに、確かに、ほんのちょっとあったかくて、ちょっとほんのちょっと硬くなんたけどやわらかくて、生きているみたいで…、詐欺だよ、これはああっ!」
もう思いの持っていきようがない。

「俺ができることってなんだ…?」
「せっかくだから、御線香はあげてあげて…。なんか、ももにいってあげて、ももをなでなでしてやって…」
なんだか、ちんぷんかんぷんな状態である。

御線香をあげると、弟は、
「なんか、生きているみたいだけど、生きてないんだね…」
ももがかぶっていた布団代わりのピンク色のタオルをはずし、ももをなでなでした…。
本当にいつものように……。

ももは、いつもの撫でられて、気持ちよさそうな顔をしているようにしか見えなかった…。
「なんだよお、気が抜けた眠り顔にしかみえないぞ…」
弟は茫然としながら、ももを撫でる。
「うん…」
「お前、寝ているようにしか見えないけど、死んでいるんだな… 綺麗なまんま、あの世いっちゃったったんだね」
「本当に綺麗なまんまだね…。もうね、死ぬときすんごい苦しんで暴れていたんだ…。シャレにならないぐらい暴れてさ…。私はもうしょうがないから、獣医さんに連れていく準備して、いくしかなかったんだ……。まさか死ぬとは思ってないしね…」
「そりゃあなあ…」
「でも、床におかないでずっと抱いてればよかったのかもしれない… 慌てて、かご持って来ようとして動いたけど、ももが急に動かなくなって…」
いいながら、ももの最期が思い浮ぶ。忘れることのできない思い出として、それは甦る。

「慌てて、抱き上げて、ももを見たんだけどね…」
「うん…」
「私を見ていた…ももの目から、すーって光が消えていったんだ。ももが最後に見たのは、慌て狂った私の姿だったのかもしれない…」
弟は泣いていた。
「同時にすーっと、ももが軽くなって…、もう猫じゃない悪魔かなんかのようだった顔はいつの間にか穏やかなそれになっていてね…。もう惨いぐらい…」
私もまた何度目かわからない涙がこぼれていた。もう自動的にどぼどぼ出るのだ…。
「私は、ももの目を閉じさせて、出てきちゃった舌を中に入れるしかできなかった…」
「うん…」
「なんにも、ももを助けられなかったんだ…。なんにも…」
「うん…」
「あんなに苦しんでいたももを何も助けてやることなく、ももはあの世にとんでもない勢いでいっちゃったんだ…」
ぼろぼろと兄弟でしばらく泣いた…。

「死ぬなんて、想像できなかったよ…。30分前には、はっちゃんに似た野良猫を見て、優雅にのほほんとしていたんだよ??? それが30分後には、あの世にいっちゃうなんて誰が想像できるんだよ???」

ももは、悠然と眠っている。もう二度と冷めない夢を見ながら、死んだとは思えない、美しい姿でそこにいる。気の抜けたような、生きているような気持ちよさそうな寝顔でそこにただただ永遠に眠り続けるのだ…。

「19歳と4か月…。猫としては長寿だと思うけど、もっと長生きしてほしかった。こんあの早死にだよ。私がが60歳になるぐらいまでは生きててくれる、そんな気がして、そんなこと簡単にできそうな顔をしてたくせに、こう、あっというまにあの世に行っちゃったんだ…」

「本当に死んじゃったんだな…」

「こんなことだったら、ジャージー牛乳の増してあげればよかった…。もも、「おかわり~」ってちゃんと発音して、催促して3杯も飲んだけど…。こんなことなら、もっといっぱいのましてあげたかったなあ…。後日、濃い目の牛乳はあげたけどさあ…」
もう、後悔ばっかりが止まらない…。

「モンプチも、ちゃおちゅーるも、イナバも、シーバも、カニカマも…、他にも、もっといっぱいあげたかったなあ…。ごめんね、ももちゃん…」
もう、ただただ泣くしかない…。

「せめて、お供えに、ジャージー牛乳とか、キャットフードとか、甘酒とか、そなえたけどさ…。なにも用意しないなんてできないでしょう…」
「そりゃあなあ…」
「お供えとかを買い物している時に、本来なら、生きているももちゃんの為に私は買い物していたはずなのにって思ったら、お店で泣き叫びそうになったよ…」
「だろうなあ…」
「とまかく、ももにしてあげれることはしたよ。セミントラ(腎不全の薬)もあげたし、ジャージー牛乳もあげた…。最期のお薬に、最期のジャージー牛乳だ… 死体だから、口濡らしただけだったけど、それがえらく惨く悲しかったんだ…」
「うんうん…」

ただただ、ももの話をして、ももを撫でていた。
そんなことぐらいしか、私ら兄弟にはできなかった…。
気が付いたら、もう夜中の11:30にはなっていた……。

「じゃあ、俺、そろそろ行くわ…。もも見るのは、もうつらいよ…」
「うん…。もも、喜んでいるよ。ちゃんとお別れできたのだから…」
弟は涙を拭いていう。
「明日には火葬につれていくから…お前も来れるか…?」
「悪い…。行くことは不可能だ…もうしわけない…」
たしか、そんな話をした…。仕事の関係で来れないという事だった。

「私は、最期だからいってくる…。きっついけどね。こんなに可愛いももが骨になるなんて信じられないし惨いけど…」
「最後に付き合えなくて、すまない」
「おまえの分も、ちゃんと祈ってくる…」
「ありがとう…」

夜は悲しく過ぎていった……。
火葬の日は、刻々と近づいてきた…。物凄く惨いのだな…。

そう思った。残酷なほど当たり前なのかもしれないけれど……。



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ももとの最後の思い出ー回想記3 に続きます。

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