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        ここは“にゃんこのしっぽっぽ-猫的徒然話”です。 ここでは猫好きな管理人の趣味大爆走で御送りする、 ねこねこしたブログになっていくでしょう。 ちなみに、やはり愛猫ももちゃんが出現する率は高いです。
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ささら 由羅
性別:
女性
趣味:
創作とか♪多趣味。
自己紹介:
どうも、ささら由羅と申します。COOLな猫好きな人間です。(まわりの人間いわく猫狂い、猫キチガイ)。
愛猫は、ももと申します。可愛らしく、そしてナカナカ気のつよ~い女の子でございます。どうぞ、よろしくお願いします。
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ももとの最後の思い出ー回想記9


続きます。


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11月30日 ももは何かを訴えた…?

もう、何とも言えなく、ただただ悲しく虚無だった…。
最期のももの姿を見て途方に暮れる…。

(おやすみ、またな…)

そういっているようにしか見えない可愛いももの姿が、火葬炉の扉の向こうに消えていく。
いつものように、おやすみといっているももにしか見えない…。
それでも、ももは死んでいる。これから真白な骨にと変わっていくのだ…。

酷く惨い世界だった。すべてがどこか遠くなる…。

(ももちゃん、ももちゃん、ももちゃん…)

頭のなかは、亡くなる30分前ぐらいのももちゃん、亡くなる途中の苦しんでいたももちゃん、
死にゆき安らかな顔になってしまったももちゃん…。

いろんなももちゃんが、溢れるほど出てくる…。こんなにいっぱいももちゃんが、思いだされるのに、私の傍にももがいない。ももがいない…。ももがいない…。
ももがいない現実で、狂いそうになる。いやもうすでに狂っていたのだろうとは思うけど。

ももが御骨になるまでの間、寺の待合室みたいなところで、手続きをしながら待つことになった。流しの付いた部屋で、テーブルとベンチのような木製の椅子の置かれたシンプルな部屋だ。さり気なくテーブルの上にはお菓子の入った籠と、蜜柑のもってあるかごが置いてあった。

椅子に座っているものの、何だか私はぼーっとしていた。手続きの書類を書くと言っても私は特に何をするわけでもないのだ。
なのに、何故か私が席の真ん中に座らされているという、よくわからない事態だ。
何故、こうなるのだ…。わけがわからない…。

それはさておき、父親は書面を見ていたが、ぐすぐすとなんかをいい、母親に、
「悪いが、お前が書いてくれ…。
といって、母親に書類を渡した。歳をとって目が見づらいといっていたが、本当はそうではない様な気がした。まあ、別に母が書いても、私が書いても変わりはないのだから、別に問題はないのだけど。 母親は、別になんでもないように、書類を父の代わりに書き始めた。

私は一体父親と母親との間に存在して、何をやっているのだか…。
そんなことを漠然と思う。

私のいる意味とは何だろう…?私が存在している意味は何なのだ…?

そんな父親と母親の行動を見ながら、ついでに、お茶を入れてくれている坊さんの動きを見ていた。このまま、なんともいえない時間が過ぎる…とこんなことを思った…。


「うおわあああっ!!?」

が、坊さんが叫んだ。突然、坊さんが絶叫をあげた!
何がおきたのかわからないが、お茶を入れていたはずの坊さんが、のたうちまわるような奇怪な動きをした。坊さんの顔が何やら歪んで、何かを呻く…???

「??????」
まず通常では起きることのない現象である。寺の中で、突然坊さんが絶叫して苦しむ姿なんぞ、
見れるものではない。というか、好んでみたいと思う人もまずいない。
何が起きたのだ?
私の意識は遠いところにいきかけ、ももの幻、思い出を見ていた気がするが、その坊さんの叫び声で、我に返り、茫然とする。

「ええと…、大丈夫ですか? 何が起きたんですか?」
とりあえず、そんな言葉が私の口からは出た。
「すみません、すみません…」
坊さんは、なんともいえない苦しそうな顔をして謝っているが、尋常じゃない様子である。
苦痛に歪んだ顔は凄まじいことこの上ない。

ももを失った悲しみで少々おかしいのではないかと自分の事を思っていたが、そんな場合ではないと、なぜか冷静に、よくわからないけれど判断をしようとしていた。
父親も、母親も何が起きたのかわからず、ただただ驚いていた。
で、母親はなんだかおたおたして、なんかを言っていた(わめいてた)。
父親は呆然としながら、
「何が起きたんですか?」
と落ち着いているのか、状況を把握してないのかそんなことをいっていた。

もっとも、この時点で、冷静に状況を把握している人間はいなかったと思う。
「ええと、この場合は救急車を呼んだ方がいいのかな? 緊急事態ということになるわけだし…。多分、私がどうこうできるような気はしませんし…」
私は、何故か落ち着いて(ぶち壊れて?)なんかそんなことをいった気がする。
で、私はカバンの中から、スマホを出そうとした。
できることといったら、そんなものである。他に何をしたらいいのだ?
(あれ?スマホじゃなくて、お寺の電話からかけたほうがいいのかな???)
なんだか、わけのわからない考えについでにいく。

「だっ、大丈夫です。すみません、すみません…」
坊さんは、相変わらずのたうち回りそうなくらいふらふらとして苦しそうに呻いている…。

どういう状態だ、これは…??????

ええと、どうしよう…。悲しみにぶち壊れているには壊れているが、妙に冷静になっている。
母親はまだ何かをわめいているが、やはり何を言っているのかまったくわからなかった。
まあ、ある意味いつもの母親である。
父親は、茫然としていたが、かすかな声で
「もも…?」
という。その様子にぎくりとなる。
なんていうか、漠然と意識していたものが、くっきりと意識になる。

(ももが、訴えているのか…???)

一瞬時が止まる。凍り付いたように止まる。

(もも、訴えているの…???)
思わず、火葬炉のある建物の方を見る。が、ここは別の建物だし、窓もあるけど火葬炉のある建物の方には窓は付いていないので、ただ壁を見たに過ぎなかった。

(ももだって、死にたくなかったんだ……)

やけにしっかりとそう思えた。ひどく確かにそう思えた。

(こんな火葬炉でなんか燃やされたくなんかないんだ…)

何とも言えないが、そんな考えがすっと浮かんでくる…。
なんか、わかったような気がした。何がわかったかといわれてもなんとも言えなないのだけれど。ももの気持ちだったのかもしれないと思う…。

ももは、家族を置いて天国へ行くのが、辛いのかもしれない…。
私達家族は、仲はそんなにいいってわけじゃないけれど(おい)、ももにとっては大事な家族なのだと思う。家族みんなに愛情を注いていたのだ。
私達はももを愛しているけど、ももだってこの家族を愛している。
そんなのもう、わかっている…。悲しいぐらいわかっている……。
ももは、たんまり私達を愛してくれた、愛しい愛しい猫なのだ……。

(きっとあの世に行くのは辛いのだろうな…)

そう思えて、また泣きそうになる。
そんな思いを抱きながら、ももは今火葬炉で燃え、御骨になっているのだ…。
きっと悲しくて苦しくて辛いだろうな…。

(熱いよっ、私は燃えたくないんだよ、御骨になんかなりたく無いんだよっ!)
なんか、ももがそういっているような気がして、たまらなくなる。
我ながらおかしい。そう思う。

(私は死にたくなかったんだよっ!燃やされたくなかったんだよっ!)
そうももが叫んでいる気がした。

「失礼しました…。うぐぅ…、突然、急須の、注ぎ口の付け根がパカッと割れてしまいまして…」
手を抑えているような坊さんの動きだった。
「へっ!?」
テーブルの上には、坊さんがいったとおり、急須があって、これまた見事にぱっくりと穴が開いていて、そこからはお茶の液体と葉がこぼれた後がある。よく見ればテーブルは結構濡れていた。
「あああ…。ええと…。その…」
「ととととととにかく、冷やさなきゃっ!!!」
父親と母親がなんかいう。
「だ、大丈夫ですから、その…うぐぐぅ…書類を書いてください…」
全然大丈夫そうじゃない坊さんが、へたりこむように椅子に座った。
書類書いている場合じゃねーだろとツッコミいれたいところだが、私は呆然とするしかない。
ともかく、書類はそもそもすぐ書き終わるものだから、まあ、すぐ書き終わった。

「ええと、ちょっと辛いので、申し訳ありませんが、手当てしてきます…」
もっともやっぱり無理はできないし、こちら側としても気が休まるものでは決してない…。
とりあえず、坊さんは奥の部屋に入っていった…。

「ももが怒ったんだ…。熱いぞって…」
父親が真顔でぽつりとつぶやいた…。
「そりゃあ、火葬だから熱いだろうけど…。火葬でいい火加減っていうのは難しいのではないか???」
我ながら妙な受け答えである。まあ、結局熱い温度でなければ御骨にはなれないのはわかる。
「焼かれたくなかったんだな。だから…」
父親は言う。
「かといっても、火葬にするって決めちゃったじゃないか…」
力なく私は抗議する。
「死んじゃったんだから、火葬にするしかないだろうが…」
父親は、何ともいえない顔で抗議する。
「それでも、ももは燃やされたくなかったのかもな」
私はそういうしかない…。私はももを燃やしたくなかった。火葬にしたくなかった…。
いまだって、そう思う。ああ、私はももの御骨をちゃんと見てあげられるのだろうか…???
「仕方ないじゃないか…」
父親は悲しそうな顔をしたが、私だって悲しい…。
「あんたら、何をいっているのよl!?」
母親がわけがわからないというように、ツッコミを入れた。
私だって、イミガワカラナイヨ…

「もし、仮にももだとしたら、なんで、坊さんがダメージを喰らうんだ?」
と私はふと思たことをつぶやいた。
「家族にダメージを与えるのは忍びないってことで、坊さんになっちゃったんじゃないのか?」
父親は平然と言った。
「おいおい」
「坊さんは、とばっちりかいっ!?」
私は、いろんな意味でくらくらしてきた…。 

だ、だめだ…。茶でも飲もう…。

って、しまった。さっき、坊さんが急須が割れたって言ってたじゃないか…。あああ…。
「だって、急須のこんな所って、まず割れないぞ?」
父親は真剣にいう。確かにそうである。急須を割るってことはあるといえばある。
が、こんなふうに、注ぎ口の付け根が割れることは、カナリのレアケースである。

「やっぱり、ももが怒ったんだよ」
父親は確信をもっていっていた。
「かといっても、もう止めるのは無理だよ…。凄いことになると思う…」
レアやミディアムレアでOKというものではないのだ。ちゃんと御骨にならないで出てきてしまったら、どうしろというのだ。
御骨になるももは惨い姿だと思うが、それにならない姿ででてこられてもシャレにならない。
「う~ん、いい火加減でやってほしかったんだな…」
おいおい、父親よ。何か違うのではないか?
いろいろツッコミどころがありすぎて、なにがなんだか滅茶苦茶である。
何を私はいえばいいのだ???
「火葬にいい火加減てあるのか??? いやわからないけれど、まあ、熱いことこの上はないと思うよ。骨になるわけだし…」
「骨になっちゃうんだよなあ…。熱いよなあ…」
父親は、悲しそうにうつむいた…。
「そりゃあ、熱いよ…」
答えた私に、更に父親はいう。
「お前が、ももを燃やしたくないっていってたから、ももも燃えたくないって思ったんだろうな。燃やされちゃうよーって訴えたかったんだな…」

……。私のせいかい……。
でも、そんな気がしないでもなかった。

ももは私を泣かせたくはなかったのかもしれない。
だから、自分を燃やした坊さん?に、「なにすんのよーーーっ!!!」と一撃をくらわした。
そうも不思議と思えるのだ。
坊さんからすれば、たまったもんじゃないと思うけど。
「うちの子を泣かすんじゃありませんっ!!!」
ももは、ただただそれを伝えたかったのかもしれないな…。妙に納得してしまった…。
私が辛かったり悲しかったりすると、そっとよりそってくれる優しいももなのだ。
だから、なんか、妙に納得してしまった…。

「ええと、でも、もも…、御骨にはしないと大変だから、熱いだろうけどがんばれ…」
私もどこかどうしようもないことをかます。
ももは暑いのが苦手な猫である。それを考えたら、団扇か扇子をもってきてあげるべきだったのかな…。御骨になるっていうことは、物凄い暑いわけだし…。
が、私も考えていることがなんだかおかしい…。
「申し訳がないが、私らにできることは、ももちゃんを御骨にして、あの世に送ってあげることしかげきないぞ…」
他にどうしろというのだ?何もできない。
父親と母親は、あきれたように私を見ていた。多分、私が壊れたと思ったんだろう。
思いだすも、本当にこの時の私は尋常でないほど壊れてたんじゃないかと思う…。
そりゃあ、火葬炉のある方向の壁に向かって、こんなことをぶつぶついっていたら、やはり、危なっかしいと思うだろう…。


私は、本当に呆然としながら、なんだか通常ではまずありえない状況に、ただただ吃驚してた。
悲しいのは、私達家族だけでなく、ももも本当に悲しくてしょうがないのだな…。
なんてことを、ただただ考えていた…。

ありえない。単なる偶然なのかもしれない…。
けれども、坊さんの絶叫な出来事は、ももの悲しみにも思え、怒りにも思えだのだ…。
寺で、坊さんが絶叫をあげ、苦しむ姿なんぞ、まず見れるものではない。
こんな悲しいことが起きている中での珍事は、まともに動くはずの脳をどっか盛大にぶっ壊してしまったのだろうかとも思う。

だから、このことは、ももの最期の叫びだったのかなと、思えてならなかった…。

「まだ、生きていたかったんだよっ!」

ももは、それを伝えたかったように思えてならなかった。
(だとしたら、坊さんには申し訳ないなと思うのだけど…)


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ももとの最後の思い出ー回想記10 に続きます。

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