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        ここは“にゃんこのしっぽっぽ-猫的徒然話”です。 ここでは猫好きな管理人の趣味大爆走で御送りする、 ねこねこしたブログになっていくでしょう。 ちなみに、やはり愛猫ももちゃんが出現する率は高いです。
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ささら 由羅
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女性
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創作とか♪多趣味。
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どうも、ささら由羅と申します。COOLな猫好きな人間です。(まわりの人間いわく猫狂い、猫キチガイ)。
愛猫は、ももと申します。可愛らしく、そしてナカナカ気のつよ~い女の子でございます。どうぞ、よろしくお願いします。
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ももとの最後の思い出ー回想記12

続きます。
※今回は骨についての内容が多めです。苦手な方は読むのは避けたほうが無難かと思われます。)

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11月30日 真っ白なもも

とうとうこの時が来てしまった。この時ほど、哀しく虚無な時はない…。
けれども、いつかは訪れる瞬間だ。

ももは真っ白な物体になった。ついに御骨になってしまった…。

もう、あの可愛らしくちょっと生意気で、綺麗な姿のももはいない…。
残酷なくらい、静かで白い物体になってしまった……。
真っ白で、儚い骨になってしまった……。

あんなに愛しいももの猫の形が、こうも変わり果ててしまう。可愛げもへったくれもない、
無機的な白いカルシウムの物体、これがももだというのだ。
なんて残酷な姿に、お前もなってしまったのか…。

意外にも涙はこぼれなかった。ただただ呆然として虚無だった。

こんな白い骨が、ももの体に入ってて、ももの体として機能していたんだな…。
生前の面影なんて、もう燃え尽きて、何もない……。
物言わぬ骨はただただそこに存在する……。
儚く、哀しく、寂しそうに、そこにももの御骨は存在していた。

もう触れられない… なでなでして、目を細めるももはそこにはいない…。

(私は骨になっちゃったよ… ごめんね…)
そんな感じの言葉を発しているような気もした。けれど、骨になっても、ももはももである。

(うん…)
正真正銘最後のものの姿だった。ただただ白くて儚い、ももの姿だった…。

惨いものだ……。

正直いってそう思う。私にとっては酷く残酷なものだ。

愛らしい愛しい姿、その肉体を骨を残して燃やし尽くすものなのだから。
無情に残酷に容赦なく生前の姿を消してしまう。それが、火葬というものだ。
嫌でも、死んで生き返らないことが明白になるものだ。
白い儚い姿…。それは穢れも何もない美しい姿なのかもしれない。
けれど、こんなに残酷で惨い姿があるだろうか……。

(こんな姿になってしまって…)

やはり、何度見ても悲しい物体でしかない。これほど儚く惨い物体があるのだろうか?
それでも、やはり見てしまう。
こんな姿でも、ももの最期の姿なのだから…。

ももの体は、大柄ではあったけど、スリムで綺麗な体だった。 その骨を支えていた骨は、思いのほか逞しくて、綺麗だった。
足の骨を見ていたら、切なくなってきた。

この骨があった手足で、強烈な猫パンチを炸裂していたんだな…。
この手で、私を撫でてくれたんだな…。
この手で、窓を開けて、外に飛び出していったんだな…。
この手で、冷蔵庫を開けようとしたんだな…。
この手で、甘酒の入った器をおさえて、そして、のどを潤していたんだな……。

もう、もものそんな姿は見ることはできない。
私の記録の中にはいつまでも残るだろうけれど……。

もっと生きてれば、モンプチだって開けれるようになってたかもしれないのにね…。
スマホだって、いじくれるようになったかもしれないし、
コンポだって、もっと上手に操作できるようになってたかもしれないのにね…

思えば、猫にしておくには惜しいほど手先の器用なももであった…。
学習して、挑戦していく…。そんなことをしていける利発なももであった…。

(惨いなあ…)
やはり、哀しい、哀しい、哀しい…。
19年と4カ月の歳月も、この白く儚いカルシウムになってしまった…。
この無常観は形容できない…。
なんともいえない…。

並んだ骨は、酷く哀しい…。

なんともいえない時は過ぎる。火葬だから、熱かったんだろうな…。
でも、もう暑さも寒さも何も感じないんだよ…。
もう、猫の姿さえなく骨になってしまったのだから…。

もう、抱きしめてやることも、なでなですることもできない…。
もう、スリスリされることも、寄り添って寝転がることも、膝の上で威風堂々することもない…。

ももには何もできやしない。ももは何もできやしない…。
火葬は惨いなと思う。可愛いももの姿を消してしまう残酷なものだ。
それでも、次のステップに移るための、埋葬法だ…。
なんていうか、仕方ないものだけど、これはこれで天国へいくための踏ん切りなのかもしれない。骨だけになってしまえば、もう天国にいくしかないだろうってなるのかもしれない。
もう、何もかもいらんものは燃やして消えたのだから、とっととあの世に行ってこい。
火葬はそういうものなのかもしれない。
そんなことを思った。

にしたって、酷いよ、この姿は……。

こんなももの姿なんて、見たくなかったよ。誰も見たくなかったよ…。
ずっと、ももがいてくれると思った…。

ずっと一緒に生きていく者だと思ってた。
私はももに失礼なこともいいながら、我儘なことを、どーしょもないことをかましながら、生きていくもんだと思っていた。
それでいて、どうにもこうにも、おたがいイチャイチャとしながらいくもんだと思っていた。

いや、本当に一緒にずっといたかったんだ…。

自分の情けなさを、もものせいにもして我儘だった自分を思い出す。
ももは、情けないへたれた奴だと思っていたのだろうか…。だとしたら、ごめんなさいというしかできないけれど、もうなにもしてあげることはできないけど、ただただ思い知ってツライし、キツイ…。

それでも、ももは私を可愛がってくれてたのか…。しょうがない奴だと、私をももはももで、可愛がってくれたのか…。
思考は無限ループのようにめぐりめぐる。

いつでも、ももはももであった。もも以外のものではなかった。
ただただ優しく、ツンデレだけど愛情深い、賢く逞しいももであるのだ。

そう思えるからこそ、哀しい、哀しい、哀しい…。
もう二度と見ることはない…。

わかっているけど、哀しいんだ、酷いのだ……。
この、ももがいない現実が、酷く虚無で虚ろで脆いのだ……。
私がいるのに、ももがいない…。
骨になったももしかいない……。

もう、ものいわぬ真白なももだ……。

「では、足の骨を順番に壺に入れてください」
動物葬儀の係の人が骨拾いの時を告げる。

(もう、お別れなんだな…)

私は、そっと金属製の箸でももの足の骨を掴むと、そっと入れた。
(母は確か私の前にももの足の骨を壺に入れたと思うが、記憶がここは曖昧である。が、それはまあ、仕方ない)

えらく軽くて、えらく儚い感触だった…。

ももだった物体であるももの足の骨は、割と逞しく太くしっかりした骨だが、こう持ってみると、恐ろしく軽くて、酷かった。
こんな、ももの姿見たくはなかった…。

ももの姿は、私にとっては、非常に美猫な素敵な姿なのだ…。
長くて綺麗な尻尾を持つ、フンワリさらさらなやわらかい毛な猫なのだ…。
愛しきサバトラ白の、可愛くて仕方のない猫なのだ…。

こんな真白な儚い物体ではないのだ……。

けれども、これはももなのだ。御骨になってしまったももなのだ…。

酷く哀しい、酷く儚い…。残酷な姿…。

恐ろしく脆い…。力を入れたら砕けそうなほど、儚い…
ももの骨はそんな感じだった。最期に触れたももは、えらく儚いものだった…。

私がももの骨を入れた次は、父の番だった。
が、恐らく父は、ともかくショックだったのだろう。静かな顔でもショックだったのはわかるようなことをした…。

「おいおい、お父さんっ!」
父は金属の箸で、ももの頭蓋骨を掴もうとした……。

(おいーーーっ!!?)

もっとも、まるで、父親につかまれるのが嫌であるといわんげに、ももの頭蓋骨は、父親の使う箸からするすると逃げているようだった。
まるで、なにすんのよ、いやだよ~んといわんげに…。

「なんだ?」
父は何処か呆然としている。何をお前はしたいんだ?といわんげな顔をしたのだった。
が、それは間違いなく私の思いである。

「壺に入れるのは、ももの足の骨だよっ」
「え、そうだっけ???」
父は非常に不満そうに、ももの足の骨を金属の箸でつかむとそっと壺に入れた。
「なにやっているんだよ……足の骨を入れてくださいって聞いてただろうが…」
ムカムカしながら(不覚にもちょっと笑ってしまった)私はいうしかなかった。
まったく人の話を聞かない、うちの両親であるから、まあ、父親がこんなことをするのは、本来なら想定内なのかもしれない。けれども私にはそんな余裕はかませなかった。
「そうだっけ???」
父はきょとんとしている。でも、すらとぼけているのが、どこか哀しそうだった。
父も悲しいのだ。悲しくて仕方ないのだ…。母はわからないけど。
ちなみに母は笑っていた。なんか、そんな風に記憶している。

(もも、ごめんね…)

と心の中で謝るが、骨になったももにはどうでもいいことなんだろうか…。
まあ、ももはこの人間どもの流れなど、もうどうでもいいことなのかもしれない…。

そして、ももの骨の残りも壺に入れられ、最後にその父親が掴もうとしていた頭蓋骨もそっといれられた。

(またね)
骨になったももが、そういった気がした。

(また会おうね…)
私はなんか自然に心の中でいっていた。思い込みだといわれれば、それまでなのかもしれないと
そんなことも思った…。でも、いいや…。

壺にふたをして、ここの寺の慰霊堂にやって来た。

ここにはずらっと亡くなった動物達の位牌が並んでいる。これがまあ、お墓である。そして、その近くには納骨堂がある。
ここの慰霊堂は中央に何やら見守るように仏像が置いてあり、まわりは由々しきお供え物やお花がが供えられている。そして、仏像の周りには亡くなった動物たちの位牌が、壇上になってずらっと並んでいる。
そして、仏像の前には、壺に入った骨になった動物達が祀られている。
この御寺ではここの慰霊堂に1週間ほど祀られてから、納骨堂に収められるという。

ももも、その骨壺が祀られているところに置かれた。壺のふたに書かれた、”平成29年11月28日 愛称もも” の文字が悲しかった。
そして、ももの位牌を並べると、ふたたび、私達は御線香をあげて手を合わせた。


こうして、もものささやかなお葬式は終わった…。


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ももとの最後の思い出ー回想記13 に続きます。

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