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        ここは“にゃんこのしっぽっぽ-猫的徒然話”です。 ここでは猫好きな管理人の趣味大爆走で御送りする、 ねこねこしたブログになっていくでしょう。 ちなみに、やはり愛猫ももちゃんが出現する率は高いです。
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ささら 由羅
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女性
趣味:
創作とか♪多趣味。
自己紹介:
どうも、ささら由羅と申します。COOLな猫好きな人間です。(まわりの人間いわく猫狂い、猫キチガイ)。
愛猫は、ももと申します。可愛らしく、そしてナカナカ気のつよ~い女の子でございます。どうぞ、よろしくお願いします。
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ももとの最後の思い出ー回想記7

続きます。

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11月30日 ももと寺に行くー自動車の中

父の車で寺に向かう。ももは棺桶の中に眠っている。最期の私の膝の上だ。
もう二度とももを膝の上に載せることはないのだ。ほんのちょっと前まで、ももは甘えて膝にででんと乗って、甘えてきたのに…。
いつまでたっても、可愛いももちゃんだった…。歳を取ろうが、態度がでかかろうが、すべてがすべて、可愛い猫なのだ。
もう、動くことはないけれど…。

(もも、もう起きないと骨になっちゃうんだよ? お前は本当に可愛くて仕方ないのに、もう無慈悲に御骨になっちゃうんだよ?)
こころでも語り掛け、実際にも多分口に出していたと思う。

でも、動かない…。無慈悲にまったく動かない…。
永遠にももは静に眠り続ける。それでも、ももの魂は私の傍の席に並んでいて、私を見ているような気がした。(気配がした)
わかっているけど、受け入れられるものではなかった…
後部座席はただただ静かだ。車のBGMで、なにかクラシック音楽が流れていたが、さらさらと何も残らずに消えていく。
天気は曇っていた。ももが死んでから、ずっと晴れていたのに、今日はうすらぼんやりと曇っていた。でも、そんなの別にどうでもよかった。

(なんで、ももちゃんをあの世に持っていくのだろう…? 私の行いが悪かったのか…?)
そんな気がしないでもなかった。
私がもっとすごい人間だったのなら、もも、お前はもっと生きてくれたのか?
なんともいえず、棺桶越しにももを抱きしめる。

「もっと生きててほしかったよ、もも…」
ももの生きた19年と4カ月の月日は、長いはずだけれどやたらに短く感じた。

「人間の年齢に換算すると、猫の年齢が19歳なら、人間でいうと90歳だから、まあ長生きなんだろうけど、もっと長生きしてもよかったんだよ?」
私もこのセリフを何度言ったのだろう…。
「ばーちゃんが亡くなった歳と同じになるんだよ」
ばーちゃんは、私の祖母である。そして、父の母親である。なんだか、強烈な御人で90歳で亡くなった御方だ。そういえば、以前うちに来た時、扱いの難しい、どうにも対応が難しいばーさんだったけど、ももは見事に対応していたなとか思いだす。
ももは、べたべたに甘えることなく、かといってつんつんするわけでもなく、ほどほどにいい感じで、ばーさんの対応をしていたのだった。
そのばーさんと同じ天国に、ももは行ってしまったのである。
わたしは、ばーさんが正直羨ましくなった……。
私がそちらにいくのは、いったいどれくらい先の未来なのだろう……?
とりあえず、まだそこへいく気はないけど…。

「生きるのが疲れちゃったのかな…」
「まあ、19年だしなあ…昔の猫はここまで生きるなんてなかったぞ…」
父親がふとそんなことを答える。
「今の猫は恵まれているよ…」
そりゃそうかもしれない。けれども思ってしまう。
「どうせなら、もっと恵まれて、もっと長生きしてくれればいいのに…」
本当に心底そう思う。

「いきなり、あの世に行くなんて、あんまりじゃないか…」

ちょっと前まで、豪快に猫缶の御飯食べていたんだよ?
ちょっと前まで、なでなでされて、ごろごろいっていたんだよ?
ちょっと前まで、父親や母親の股間にででーんと座っていたんだよ?
ちょっと前まで、弟と一緒になかよくゴロゴロしていたんだよ?
ちょっと前まで、私はももにブラッシングをしてたんだよ?

ちょっと前まで…。ちょっと前まで…、ちょっと前まで…。

永遠に”ちょっと前まで”の思い出がぼこぼこあふれ出る…。
まるで、忘れないでねと言っているように。忘れるわけがないじゃないかっ!

ももよ、貴方は私の大切すぎるぐらい大切な、愛しの猫、愛しの家族、愛しの相棒なのだから。
永遠に忘れるわけがない。

時が過ぎれば、悲しみは多少は穏やかにはなるのかもしれない。
でも、恐らく私は、君を忘れたくなくて、心に爪を立て、忘れることを拒むだろう。
忘れるのが嫌で、私は足掻くのだろう…。

「もも、お寺に着いちゃうよ…」

もう、ここに来たら、生き返る可能性なんてなくなるのだ。
火葬されれば、ももは真白な御骨になってしまう。
いや、もう寺に来ようが来なかろうが、もう生き返るわけはないとわかりすぎているのに、御骨になっていない状態なら、ひょっとして生き返るのではないのかと思ってしまうのだ。
今の自分は、もうどうしょもないぐらい壊れているのだろう。
ももが亡くなって、ももが死んだことを認めたくなくて、でも頭ではももが死んでいることが惨いほど理解できてて、自分が狂っているのと自分が半分ほど消えていっているのが、無情にわかるのだ。別にそんなものわかったところで、ももは生き返りはしない。
わかってはいる。

「いっしょに生きていこうねって、いっしょに美味しい思いしながら生きようっていったじゃないか、もも…。私はお前を火葬したくないぞ…。お前はこんなに可愛いのに、燃えちゃったら、骨になっちゃうんだよ?」

永遠に眠り続けるももにいう。
本当にそうだ。
ももの可愛らしい顔も、猫離れしていた賢い頭脳も、綺麗で理知的な目も、長くて素敵な尻尾も、柔らかくて上質な毛皮も、ぷにぷにでかわいい肉球も…、etc…。
すべて、火葬はそれらを燃やして、消してしまうのだ…。
命が消えただけでも残酷なのに、姿も容赦なく消してしまうのだ…。

「…。ももを剥製にするわけにはいかんだろう…」
父親はいう。
「…。わかっているよ…。ももを剥製にしたいけど、できないよ…。惨いでしょ、それは…」
私はいう。
「でも、ももの姿がなくなるのが悲しいんだ…。こんなに可愛くて、こんなに素敵なものなのに、骨になっちゃうんだよ?」
どんなに可愛い素敵なももでも、哀しく無情なカルシウムの塊になってしまうのだ。
「そりゃあ、火葬だからな…」

わかっているよ、そんなこと…。

自分の感情的な思いにどうにもイライラする。
”女性は感情的だから”という上から目線の決めつけた言葉が、ふいに頭をよぎっていく。
この言葉は物凄く嫌いで苦手だ。理解してあげているんだよと偉そうに言わんげな言葉が、なんかバカにしているようで、心底ムカつく。
感情的なのは男性も女性も変わらない。なのに、なんなのこの偉そうな言葉はっ!?
そんな風に思えて、不快である。
が、それがいつも以上に、酷くイライラした。あまりの悲しさに、心にいろんなものがあふれまくっている気がした。壊れている、壊れている…。

感情的よりも、悪質だ。ももを失った悲しみが、狂気になり、理性を壊し、まともじゃないわけのわからないカオスにしていく。
辛うじて、それでいてももへの思いが、同時に私をぶち壊れないように抑えている。
この、思いはなんといったらいい?


「そういえば、弟がいってた…」
なんかしゃべってないと気が狂いそうなので、しゃべることにした。

「なんだ、急に…」
戸惑ったように父は答える。
「ももの御骨、家に持ち帰らないでいいのか? っていってた…」
「なんでまた…、いっぱい仲間がいるわけだから、ももも寂しくないだろう?」
「ももは望むのかなっていってた…。ももは猫嫌いの猫だから、お寺に置いておくのがかわいそうな気がするていってた…」
私が理由をいうと、父親は黙っていた…。
ここの御寺では、亡くなった動物たちが御骨の状態で一種間ばかり礼拝堂に祀られていて、また今までに亡くなった動物たちの位牌みたいなのが、ずらっと沢山並んでいる。
(ちなみに御骨の状態で1週間ほど経つと、今度は納骨堂に入れられる)

「ももは、うちの人間大好きな猫だから、うちに置いてあげたいとは私も思ったね。寂しくないように、うちに置いてやりたいって、弟は言ってたよ」
「そんなこといっていたんだ…」
父は、そうつぶやいた。
「私もそう思う…」
「おいおい、だが、何処へ置くんだ? お前の部屋に置くのか?」
「それでもいいよ、もしくは、うちの庭に埋めてももいいけどね」
「部屋に置くんじゃ、ももだって落ち着かないだろう? というか、うちの庭のどこに植えるんだ??? 埋めるところないぞ?」
「そうそれなんだよ、うちの庭、植物がぼーぼー野性化している状態だから、どうにもきれいじゃないというか、バッチいというか、埋めたらももがかわいそうな気がするのよ」
「…。おいおいそりゃ酷くないか?」
「うん、といいつつ、あびの時は、庭に埋めたけどね。火葬にしないで土葬だね」
ちなみにあびは随分昔に、保護した小さい子猫である。アビシニアンに似ているからという理由であびという名前にしたのだ。
が、なんと3日後には、あっというまに亡くなってしまったのだ。
接した期間は、物凄く短いけれど、可愛くて人懐っこくなった猫だった。
その猫は、”ここにいれば、猫も時々うちは来るし、寂しくないだろう”といって、私がにうちの裏庭に埋めたのだ。ちなみに土葬である。
「あびはいいんだ、それで」
いう父親はいう。
「なんでよ?」
「あびは小さいから、庭に土葬でもいいんだ。ももはでっかくなったから、ちゃんと火葬したほうがいいだろう?」
「どーいう理屈だ!?」
ちなみに、今回のももの死体の処理の方法は、あっという間に、お寺で火葬して預かってもらうことに、当たり前のようになってしまってたのだ。
「ももは大きくなったから、お経をあげて火葬してやるべきだろう?」
父親はいう。
「!??まあ、お経はあげてやりたいからなあ… でも、あびも火葬にしてやればよかったかな…」
「まあ、あびは小さいから、土葬でいいんだ」
確かにあびは小さかった。
何せ大人の手のひらに、ちょこんと乗ってしまえるサイズだったのだ。
しかし、小さいから土葬って…。うーんどういったらいいのだろう…???

「うーん…。とりあえず、ももにも、あびにもこれからは、せめて、時々お経のCDでも聞かせてあげよう…」
私は、多少落ち着いてそんなことをいった。
「って、そんなもの持っているのかっ!?」
「当たり前じゃない?」
驚いたような父親に私は答える。
「おいおい…。そんなもの何処で買ってきたんだ???」
父親は呆れている…。
「店」
私は即答する。
「いや、そうだろうけど…」
「ちなみに、そのCDは近所のコンビニで売っていたから、興味がわいて買ったんだ」
「な、なんでまた…」
「癒しだよ。リラクゼーションだ。たまにはお経を聞きたくなることもあるでしょ?」
「…。わからん…」
なんだか、父親は複雑そうな顔していた。
でもなんでだろう、その時、ももが棺桶のなかでふふっと笑っている気がした…。
棺桶の蓋はしまって、姿も見えないが、何故かそんな気がしたのだ…・。


寺が近づいてくる…。もう、いよいよだ…。



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ももとの最後の思い出ー回想記8 に続きます。

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