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        ここは“にゃんこのしっぽっぽ-猫的徒然話”です。 ここでは猫好きな管理人の趣味大爆走で御送りする、 ねこねこしたブログになっていくでしょう。 ちなみに、やはり愛猫ももちゃんが出現する率は高いです。
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ささら 由羅
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女性
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創作とか♪多趣味。
自己紹介:
どうも、ささら由羅と申します。COOLな猫好きな人間です。(まわりの人間いわく猫狂い、猫キチガイ)。
愛猫は、ももと申します。可愛らしく、そしてナカナカ気のつよ~い女の子でございます。どうぞ、よろしくお願いします。
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ももとの最後の思い出ー回想記13

続きます。

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11月30日 いつか、そちらにいくとして…

慰霊堂から出てみると、先ほどカエルの鳴き声をした三毛猫が待っていた…。どうやら、少々近くで見守っていてくれもしたようだ…。

ごろごろごろ…

三毛猫は、そう喉を鳴らして、よしよしといわんげに私の足にすり寄ってきた…。
私はしゃがみこんで、三毛猫をなでた…。涙はもう出なかったけど、哀しかった…。

哀しい、哀しい、哀しい……。

そんな私の思いがわかるのか、ただただ三毛猫は私の手にスリスリをしてくる…。
ごろごろなる喉の音が優しくて切ない…。

もう、ももは喉を鳴らして甘えてこない…。
もう、ももはすりすりもしてこない……。
もう、ももは………。

「ありがとうね…。慰めてくれてるんだね…」
「げこげこ…」
また、カエルのような鳴き方を三毛猫はする。

(かえるかあ… 未来にはももは帰ってくるのだろうか…?)

なんかそんなことが思い浮ぶ。荒唐無稽だ。けれどもあり得るような気がした。

先ほどあった私の口を何者かにのっとられた不思議な体験といい、三毛猫のげこげこといいなんだか、あり得そうな気はなんだかした。
ふわっとした、なんともいえないものだ。それでも確かにそんな風に思うのだ…。
哀しみと虚無で私は壊れてしまっているからなのかもしれない…。
そうとも思えた…。

「お前はここの御寺の猫さんなのかな…。うちの猫のももは、さっき御骨になっちゃったんだ…」
そういうと三毛猫はちょっと目を細めた。
「もし、魂のももちゃんと会うことがあったら、仲良くしてあげてね…」
なんだか、猫なら、猫の魂も見えてしまえるように思えた。
うちのももちゃんは猫嫌いの人間好きだから、大変かもしれないとふと思う。
「あはは、バカだね、私は…。いくら猫でも猫の魂は見れないか…」
どこか狂ったように笑うしか私はできない。

「げごげご…」
ごろごろごろ…
三毛猫の音は、まるで私に何かを伝える様に響いてた。

「寂しいんだ、哀しいんだ、虚無なんだ…」
力なく私の手は三毛猫をなでる。ももとは違う感触だ。それでも猫の感触だ。
元気いっぱいな、血色いいような健康的な障り心地だ……。


「もっと、いっぱいなでなでしてやればよかった…」

亡くなる30分前、もっといっぱい、たんまりナデナデをしたら、ももは死なずにすんだのだろうか…? あの時は、ほんのちょっとしか撫でてやってなかった。
だから、ももはがっかりしたのかな……。
ありえそうな気が気もしてきた……。
もっとたんまりと、しっかりとももちゃんを撫でてやるべきだった…
あの時の穏やかな顔は、いつもの顔に見えたけど、本当は、ももはサヨナラといっていたのかな…。だとしても、私はわからなかった…。

(ごめんね、ももちゃん…。不甲斐ない飼い主で…)

後悔はどんどん湧いてくる……。どんどんわいてくる…。

(ごめんね、ももちゃん…)

私はそう思うことぐらいしかできない……。

「この猫ちゃん、カエルみたいに鳴くんですよ」
と見れば、何故かお参り客の人になんか母は言っているようだ。が、それが割と近い位置なのにえらく遠くに見えた。本当に偉く遠くの事に見えた。

この触っている三毛猫がただただ現実だった。

「やっぱり猫はやさしいね……」
思いだすのはももの事だけだった。
優しくて私の友人であり、私の兄弟であり、私の家族であり、私の…etc…

もうこの世にはいない、愛しの存在……。

何故私を置いていった…? 何故私も連れて行かなかった…?
そう思う。けれども勝手な話だが、
私は生きなきゃと思う。私はももの魂を安らかに送って、また迎えてやらないとと思う。
正気も狂気も私の中でただただ、目まぐるしく荒れていった…。

ももがいない…。それが現実、嫌な現実…。それは変ることはない。

それでも、私は生きていく…。わかっているけど、その現実は酷だった。

取り残された私には何の意味があるのだろう?
未だわからない、その意味は私が、この世から消える時に嫌でもわかるのだろうか?
友人が亡くなった時もこんなことを考えていたなと思いだす。

死んでいく者たち、生きていく者たち…。
意外とそんな大差はないように見えて、それと同時に途轍もなく差があるようにも思える。

ただ、私は生きていく者だ…。あと、どれくらいだかはわからないけれど…

その時にはももよ、迎えにこい。
魂になった私は、魂になった君を思いっきりなでなでして、だきだきしてあげるから。
でも、その時には、ももは、もう別の生き方をしているのかな…。
それなら、それで一人で私はあの世に行くだけだ…。
ぐらぐらと、どうにも荒唐無稽に考える。狂ったように考える…。
死後の世界に何を期待しているというのだ、私は…。

ここに、ももはいない。私の傍にいない…。

もう、この世という次元にはいない。私とは違う世界のものになってしまった…。
それだけで、マトモな状態の精神なんて、遥か彼方にぶっとんだきがする…。

ももがいない、ももがいない、ももがいない…。
それは絶望的に悲しすぎた…。私は、自分の半分ぐらいを失ったみたいだった…。

「げごげご…」
まるで、ももの代わりをするかのように、三毛猫は私にすりすりする…。
ももは、私に元気を出してほしいときに、いろいろしてくれたなと思いだす。
こんな風にすりすりしてくれるときもあったし、ごろんと転がって、お腹をみせてなでなでを要求するときもあった。これをやられると、力がふわっと抜けるのだ。

怒りも悲しみも憎しみも、み~んな、もものふわふわの毛並みで、やわらいだものになってた。
で、ももが更にナデナデにいろいろ要求して、私がこたえていくうちに、なんだか冷静にはなっていた。ナデナデで私の心を癒していたんだなと思う。
いや、うちの家族、いや、ももの接した人達も、このもものナデナデ要求に癒されたのではないだろうか?

そんなももをどうしてあの世に連れて行くのだ……???
天に向かって、呪の言葉を吐きそうになる。吐いても何も解決しないけど。
それほど天に重要性はない。神なんて信じられない。所詮人間の幻想だ。
空は、私の言葉も無視を決め込んだかのように、曇っていた…。

まあ、そんなことどうでもいいのだ。

「おい、そろそろ帰るぞ…」
父親が告げる。どうも、何か壊れたように三毛猫を撫でる私がおかしいと思ったのだろう。
母親はすでに、用があるのだといって、とある県会議員の事務所にとっとと消えていた。
まあ、そんなことはどうでもいい。心底どうでもいい事だ。

「じゃあ、ありがとうね、げこちゃん…」
げこげことカエルのように鳴くからということで、いつのまにか勝手に、三毛猫の名前を、げこちゃんにしていた。
「げこ…」
三毛猫はそう鳴くと挨拶するみたいなスリスリをした。

私は寺の出口に向かう。三毛猫は私と父を見守るように見送るように、見ていてくれた…。
その三毛猫に手を振ると、三毛猫はやさし気にそっと目を細めた。なんだか泣けそうだった。
何度か振り向きながら、手を振って、見えなくなるまで三毛猫を見た…。
まるで、私達を見えなくなるまで見送るように、三毛猫はしてくれた。


車の中に戻って、家に帰る…。

「お前はあの猫と知り合いなのか?」
父親はわけのわからんことを聞いてきた。
「しいて言うなら、今日知り合ったんだよ…」
「まるで、お前を見送っているみたいだったな…」
「…。心配してくれたのかもしれないな…。ももの代わりに、見送ってくれたのかもしれない…」
そんなことをいいながら、ふと思う。

ももの魂は、一緒に私達に付いてきているのではないだろうか?
何というか、気配がするのだ…。
いかんせん、ももは自分以外の猫が嫌いな猫なのだ。(自分の家族とENDOWさんちのたまは除く)
”ここに私の骨はあるけど、私の家はここじゃないの”
結局のところ、魂だけはそっと私達の傍に付いてきてくれているような気がする。
”ここが私の家なんだ”
そう思って、我が家にいてくれるなら、それはありだろう。
まあ、でもとりあえず、天国にはいって、ほとぼりさめたら来てくれ、である。
死後の世界なんぞわからない私はそんなことを思うのだ。

このももの魂の延長線に、私は交わっていくのだろうか…。そんなことを考える。
荒唐無稽だ。それでも考えずにはいられない。

また、逢おうね。ももちゃん……。
それを願いながら、この絶望的な現実を悲しむ……。

「ある意味、縁はあるのかもしれないね。カエルの鳴き声をする猫だしね…」
「あれは吃驚したな…」
父親はそんなことをいう。
「また会うかもしれないな…」
ふと私はそんなことをいう。
「なんでだ?」
「墓参りするときがあるからだ…。それに、ももが納骨堂に入る前に、我が弟にも来てもらいたいしね…」
「そりゃそうか…」

ひょっとして、あの三毛猫が、私を導いて、ももに再び会わしてくれるのかもな…。

そんな途方もない事が思い浮ぶ。無茶苦茶である。
それでも、ありえそうな気はしていた。悲しみに暮れていても人間は強欲なのかもしれない。
そういうことなのかもしれないけど…。

やがて、飼い主は、途方もない虚無と絶望的な哀しみの中、夢を見る…。
ありし日の夢を見ながら、悲しみの夢を見ながら、未来に愛猫とであう夢を見る…。

今は、ただただ悲しくて、虚無で、どうしようもなくて、いるわけだ。
狂っていくように、それでも哀しみにずぶぬれながら、虚無をかんじる…。
いつ終わるかわからないし、あるいはもう終わらないことなのかもしれない。


「ももの回顧録をつくるんだろう?」

突然、父親がいう。
「へっ!?」
父よ、何を唐突にいうのだ!??
「お前は、ももへの手紙を7枚も書いたんだから、そんくらいすぐ作るだろう?」
父は真顔だった…。
「ど~いう理屈だ…。というか、またそれをいうのか?」
まるで、わからない……。
「今は、とても書ける気力がないよ…」
はっきり言ってない…。父よ、私を何だと思っているのだ???
「やはり記録には残さないとな…」
おいこら、人の話を聞いてくれ…。
「あの、ももの手紙燃やしちゃったんだしな」
まだ、いうのか???
「お前の事だから、書くんだろう?」
「決定かい!? …。まあ、書くけどね…」
「だろう?」
確かに、私は黙っていても書くだろう。いっちゃなんだが、書くだろう…。
「ただ、頭がまだ働かないよ…。時間が必要だ…」
これは事実である。揺るぎない事実である。
「すぐ、できるんじゃないのか?」
鬼のような事をいう父親である。
「すぐにできるようなものじゃないよ。まったく…しばらくは哀しみに浸らせろ…」
「情けないなあ」
おいこら、それは流石に酷いぞ
「だーっ!?だったら、とーちゃん、貴方が書け!」
「俺は文章を描くのが嫌いだ」
おいこら。キッパリいってどーするのだ。
「はあ…。なんちゅう親だ」
「お前の親だ」
いや、わかっている。確かにそうだ。

「書くよ…。まあ、少々時間はかかるだろうがね……」
「マイペースな奴だな…」
呆れたように父親は言う。本当になんていう親だ…。
「まずは、ブログだな…。そこで今日の事を書く…。多分長くなるだろうけど…。それからだ、回顧録は…」
「なんで、お前はそうデジタルなんだか…」
父親は何故か溜息をつく。
「まずはやれるところからだ。今の私にはそれしかできないよ…というか、とーちゃん自分はどうなんだよ?」
若干イライラしながら、私は答えるしかない…。

ももの魂は、そんな様子を呆れて見ていたのかもしれない…。
今では、そんなことも思えるが、当時はもうただただ、何がなんだかわからなかった…。
愛猫がなくなると人はダメになる。
それをただただ、もう続けていた。そんな気がする…。
それでも、私は意外にも正気をすべて失わず、狂気に暴走することなくいれたのかもしれない…。


その 数日後あたりに、私はブログに、ももの最期の回想記のブログを書き始めた。

そして、長々と書いてきた、かなり長く書いてきた。
今でも、哀しみは存在し、虚無も存在して、なんともいえない状態である。
それらが癒えることはないでしょう。ただ、少し冷静になり落ち着くだけの話だ。
それは、私の生きている限り続くわけである…。

まずは、ももに捧げる回想記は終わった…。
そして、ももの冥福を祈りながら、ももへの思い出を大事にしながら、時は流れていくのだ。




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ももとの最後の思い出ー回想記 終了

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