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        ここは“にゃんこのしっぽっぽ-猫的徒然話”です。 ここでは猫好きな管理人の趣味大爆走で御送りする、 ねこねこしたブログになっていくでしょう。 ちなみに、やはり愛猫ももちゃんが出現する率は高いです。
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ささら 由羅
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女性
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創作とか♪多趣味。
自己紹介:
どうも、ささら由羅と申します。COOLな猫好きな人間です。(まわりの人間いわく猫狂い、猫キチガイ)。
愛猫は、ももと申します。可愛らしく、そしてナカナカ気のつよ~い女の子でございます。どうぞ、よろしくお願いします。
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ももとの最後の思い出ー回想記3

続きます。

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11月29日 夜中 ももとの最期の夜

いよいよ、ももと過ごすのは最後の夜になってしまった。そう思うとどうしても、自分の部屋に戻る気にはなれなかった…。
どう見ても、リラックスして寝ているようにしか見えないもも。
けれど、この子は死んでしまっていて、明日の朝にはもう、この家にはいないのだ…。
火葬して御骨になってしまう現実。そんなのはわかっているけれど、認めたいとは思えなかった。
そんなことが、頭の中をぐるぐるまわる…。

かつて、うちにいた猫、つまりももの先代だった猫の ちーちゃん(ちい子)も思い出す。
あの時は亡くなったのは夏だったから、死体の腐敗を防ぐためにもあっというまに火葬したんだったのと思い出す。
ちーちゃんは、ももと同じサバトラ猫で可愛らしい猫だった。もっとも、ももとは違い気の弱い大人しい猫で、10歳で亡くなってしまった。随分と昔の話だ…。

この時は10歳であの世に行くなんてと思ったが、今度は19年であの世なのだ。
約1,9倍はももは長生きしたことになるが、それでも、なんでも悲しいのだ。
長かろうが、短かろうが、大事なものが死ぬのは壮絶にもうただただ悲しく、ただただ虚無だ。
この世にいなくなる。その事実が何処までも何処までも、悲しくてたまらない…。
いや、悲しいなんてものじゃない。もう自分が大破するのだ。粉みじんにされた精神でもって、
形容するのは不可能な思い感情に、押しつぶされて、ある意味、死んでしまうわけでもある。

もう、たまったものではない…。


「いつかは逝くとは思っていたけど、こんな突然来るとは思わなかったよ、もも…」

ぐーぐーねているようにしか見えないももに語る。その顔は少し微笑んでいるようにも見えて、切なくなるほど穏やかだ。
「美貌の猫なだけあって、最期まで美猫なんだな…」
こんなセリフ何度いったのだろう…。
なにも反応しないももが、酷過ぎるぐらい悲しかった。

ほんのちょっと前まで、ももは、夜中にお腹すいたよ~♪と御夜食をばりばり食べて、いっしょにいようね、一緒にねんねしよう♪と甘えていたのに…。
「みんなの確認しなくちゃね」と家族全員の寝室に順番に巡って、寝ていたのに…。
そんな当たり前の夜は、もう二度とこないのだ。もう二度と…。

亡くなる前日も、夜中に、猫缶をねだって、ばりばりと上品に食べ、すりすりもたっぷりしていたのに…。
そして、家族のもとに、巡って寝ていたのに…。

「悲しいじゃないか…」

ここにあるのは、惨い現実だ。
ただただ永久に眠る、19歳4か月の愛しい美猫だ…。

最期の晩がひとりだけで過ごすなんて、可哀想に思えて、せめて私はそばにいてやろうと思った。そのぐらいしかできない。そんなことぐらいしかできない。

「…。これからは寂しい夜になるね……」
添い寝をしながら、そんなことをいう。
亡くなるまで、夜はこんな風にふたりで、ごろごろしていたと思い出す。

「何でもないようなことがしあわせだったと思う~」
なぜか、ちょっと歌ってしまったが、本当にその通りなのだ。
「何でもない夜の事、二度と歯戻れない夜~」
残酷までにその通りで、何処までも悲しい…。そして虚無だ。

最期の夜は無慈悲に過ぎていく……。あってはならない、まだまだ先の未来の事だと思ったのに、ももはいない。ももはいない。ももはいない…。
目の前に寝ているももは、生きた猫ではなく、死んだ猫…。
スタイルはいつもと変わらないけど、もう最後の夜…。

「眠れないよ、最期の夜なんだぞ…。明日にはももがいなくなっちゃう…」
綺麗な美猫のももは、は本当に最後まで美猫である…。

そして、私は起き上がった…。なんのことはない、ももに手紙を書くためだ。

時刻は1:00を回っていたが、眠くはない…。そして、ほんの少しだろうが。もものために何かしたいと思ったのだ…。生者が死者の為にできることなんて大したものはない。
それでも、せめて、できることはしたかった…。

一旦、自分の部屋に戻り、便箋と封筒を持ってきた。
そして、テーブルにつくとボールペンを出して書いていた。ももに手紙なんか書くのは初めてである。そもそも生前のももに手紙なんか出したことはない。
ももは文字は理解してないのだから…。いや、そうではないかもしれない。
ひょっとして文字を理解していたかもしれない。
よくよく考えたら、理解していたとおもうようなエピソードがかなりある…。少なくとも自分の興味のあるものについては確実に字はわかっていたんではないだろうか…。
買い物のメモでチーズ、牛乳とか書いておいたものをテーブルの上とかに置いておくと、それを見て、ごろごろとのどを鳴らし、うきうきした顔でこちらにやってくるのだ。
「おいしいものでしょ~?ほしいな~♪」ってな顔である。そんな顔をして、嬉しそうに催促してくるのだ。
ちなみに、ももが好きではないものを書いておいてもこんな風には反応しない。
なんだかわかるらしい…。
日ごろも何故か本の傍で佇んでいる、そんなももなのだ。そんなこともありひょっとして…とは考えてしまう。
我ながら、猫バカなのかもしれない…。

それはさておき、猫に、しかも死んだ猫に手紙なんて、はじめてかもしれないと、妙に真面目に考えながら手紙を書き始めた…。


ーーー親愛なるももちゃんへーーーーー

貴女は非常に賢く、人間のいう事など容易に理解していました。どう見ても、理解していたようにしか見えません。ひょっとして、文字も理解していたかもしれません。
貴女の事だから、私達が思っているよりもいろんなことを知っている御方だったのかもしれませんね…。だから、ということもあり、手紙を書くことにしました。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

そんな文章で手紙を書き始めました…。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

突然、あなたは天国にいってしまいましたね。未だに信じられません。
亡くなるほんの30分前には、窓辺でのほほーんと呑気に、はっちゃんににた野良猫を見て寛いでいたのに、私は呆然とするしかなかったよ。
あなたは、苦しそうにのたうちまわりながら、私の腕の中で息を引き取りました。
私の腕の中で、私を見ながら、あなたの瞳の光がすっと消えるのを見ました。
あなたがふっと軽くなったのを感じ、信じられない気持ちであなたを抱いてた事を私は忘れることはないでしょう。
あなたが天国にいってしまった事実が未だに信じられないのです。
現実把握能力も何も壊滅しているかのような私ですが、あなたが生きているように見えてしまうのです。あなたは死んでいるといっても、ただただ呑気に眠っているだけの美猫にしか、いつものあなたにしか、見えないのです。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

なんともいえない気持ちで、私は手紙を書き続けました。
書けば書くほど、書きたいことは、もういっぱいわいてくるのでした。
死ぬ前日の夜中には猫缶を思いっきり豪快に可愛く上品に食べ、そのあと、のんびり家族の見回りにいったももを思い出す…。
あんなに、元気よく食べていたのに…。まだまだ、長生きしまくって、グルメな猫ぶりも見せてくれるはずだったのに…。
ジャージー牛乳だって、いくらでも飲ませてあげれたのに…。
3回も「おかわり~」といって、ジャージー牛乳をおねだりして、おかわりしていたももを思い出す…。もう何度繰り返しただろう…。

「グルメなんだよね、もも、お前は…」

傍で眠っているようにしかみえないももをそっと見た…。
夜中に書き物とかをして、ももがすぐ近くでぐーぐー寝ていた。そんな時はよくあった。
あたりまえのように、そんなことがあったのに、もう、それは当たり前のことじゃなくなったのだ。いま、ここにいるのは永遠に眠ることになったももで、この姿をしているのも、あと僅かなものなのだ。火葬にいけば、もう問答無用で儚き骨になってしまうのだ…。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

あなたは、19年と4か月、うちの猫として立派に生きました。

とんでもなく美人で、とんでもなく賢くて、とんでもなく可愛くて…。
そして、とんでもなく優しい猫でした。
ちょっと変な趣味もある、素敵な猫でした。
あまりにもいろいろ凄いので、猫又ではないかと疑われる、まれなる猫でした。
家族だけではなく、まわりの人々にも愛され、またあなたも、家族を愛し、まわりの人々も愛する素晴らしい御方でした。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

そんなことを書いていると父親が来た。

「お前はまだ起きているのか…寝ないのか?」
「一応ちょっとは寝て、今、ももに手紙を書いている」
「猫が手紙を読むのか?」
父親は呆れたように言う。
「ももだったら、あの世で読むような気がする」
「おいおい」
「ももは私の膝の上で本を読んでもらったり、PCの画面を見てたりしてたしね。それに、お父さんの部屋でお父さんとクラシック音楽をきいたり、となりのENDOWさんちにお邪魔して花を観賞しているような風流な猫なんだから、文字を読めても不思議じゃないでしょう?」
「…。確かにそうなんだよな…。猫だけど人間みたいでなあ…」
父親もそんなことをいう。
「俺のピアノの素晴らしい演奏を聴く奴もいなくなっちゃったんだな…」
「…。 そういうことだ…」

頭がくらくらした…。父よ、こんなところでボケかますでない…。

唐突に説明するが、父親のピアノの演奏は演奏ではない。
いってはなんだが、騒音レベルで酷い…。人の話をまったく聞かない人で、自分の思い込みだけでやるので、凄まじいものになっているといっておこう。
が、本人は、それを素晴らしいものだと心の底から思え、人に対してはとにかく上から目線で音楽とはなんだかんだというので、家族はこれに関しては呆れてしまっているのだ。
で、父親はこの家族は「音楽のよさがわからないんだっ」というのだ。タチが悪い…。

「ももは、俺のピアノの演奏を嬉しそうに聞いていたんだよなあ…」

それはさておいて、父親は過去を懐かしんでいる。まあ、妄想は自由である…。

「ももが若いころはピアノの上で、歳をとってからは床の上か、ソファのうえにのって佇んで、俺の演奏にうっとりと聞き惚れていたんだよなあ…」

ももの生前の話は、とんでもなく美化された話となっていた…。かなり…。

実際のところ、ももは懐のおおきな温和で優しい猫なのだ。
つまり、なんていいますか、父親の騒音といわんばかりの演奏をうっとりと聞いていたのではなく、しゃーねーなーという感じで、聞き流してただけなのである。
要するに父親の酷い演奏に耐えられる精神、もしくは耐振性が強靭だったので、父親がいっくら酷い演奏をしても、やさし~く見守れるという類まれな猫だったのである。

死人に口なしといわんばかりに、父親は、かつてのももの昔話をした…。
ももの死体は、しゃーねえーなー…といわんげな顔をしているように思えた…。
できの悪いおバカな息子の面倒をみて、溜息をついている母親の図のように見えた…。

「もも~、お前なあ、もう俺の素敵なピアノの演奏聞けなくなっちゃうんだぞ…」

悲しそうな父親の声が静かに響いた。
ももは、答えない…。答えるわけがない…。いろんな意味でいえない…。

「寂しくなるじゃないか…。お前だけが俺の演奏聞いてくれたのにな…」
確かにそうである…。家族はみんな耐えられない…。
父親の事を凄まじく妄想が激しいとものすごく思うが、本当に寂しいのは真実である…。
「あの世では俺の演奏も、クラシック音楽もきけないんだぞ…」
私は戦慄していいんだか、悲しんでいいんだかわからない状態である…。

「お前だけが家族の中で、俺の芸術をわかってくれるいい奴だったのになあ…」

いろいろツッコミはいれたいが、そんな元気はない。ただ父親のいうのも理由は全く違うとは思うが、ももは確かに父親のピアノの演奏(騒音)を理解した奴?ではある。
自分の理解者を失った壮絶な痛みはよくわかる…。ものすごく複雑だけど。

「もも、お前はもう俺のピアノ聞けないんだぞ…」

悲しそうに父親はいった。が、申し訳ないが気分は複雑である…。悲しいのはわかるけど、ももは今どう思っているのだろう…。ふとそんなことを思う…。
彼女もいろいろツッコミを入れたかったと思う…。ももの顔も複雑そうに見えた…。

と父親はやさしく、ももの頭を撫でた。ふっとももは笑った気がする。
そのあとも、父親はなんだか、ももに話しかけていた…。

「死んだようには見えなくて、やっと体も死体らしく随分硬くなったけど、しなやかだな。
もう、冷たくなっちゃったけど、暖かい様な気がする…。死んだのに、すぐに体が硬くはならなかったのは、みんなに、こうやって撫でてもらいたかったからなんだな、もも…」
父親はももを撫でている。
「こんな呑気な顔していて死んでいるんだからな…。幸せだったんだろうな…」
確かにそうかもしれない。繰り返される思い…。

ももは、あんなに暴れて苦しそうだったのに、亡くなる直前、私の顔を見た時にはすーっと表情は緩んで穏やかな顔をになって、力尽きたのだった…。
瞳の中にあった光もすーっと消えていったけど、本当に穏やかに、まるで、別の生き物というか化け物のような凄まじい姿だったのに、いつもの猫の姿、ももの姿に戻っていったのだ。
苦しみから解放され死に向かう時、彼女は猫に戻ったのだろうと思う…。
そして、美猫である自分を崩すことなく、あの世にいったのだ…。

「みんなを悲しませないために、こんな顔で死んでいったのかもな…。本当は、3年前死ぬはずだったのに、頑張って、ももは長生きいたんだ…」
「そうかもしれないな。私があんまりにも情けなかったから、根性で生きたのかもしれない…」
3年前、ももは腎不全になり、心臓もよわってしまい、死にかけたのだ…。
が、薬を飲み、点滴を打ちなどし、世話をした結果、驚異の回復力で復活をし、獣医の先生たちを驚かせ、まわりの人間も大いに驚かし、復活したのだ。
回復し始めのころは、ご飯もろくに食べれなくて、体重も2、6kgしかなく、水も飲めなかったけど、あっというまに、見る見るうちに回復していったのだ。
1週間たったころには、死にかけたことが嘘のようにけろりとして、体重も3か月後には3,8kgに戻りました。本当にあの時はいろいろびっくりしたなあ…。思い出すとももはやはり凄い猫である…。

「今回も私はまだまだ相当情けないんだから、また奇跡の復活してほしかったよ…。 こんな情けない私を置いて、あの世にいっちゃうんだからなあ…」
そうぼやくしかなかった。奇跡でもなんでも起こしてほしかった…。

「もう、限界だったんだよ…。ももは精一杯生きたんだよ…」
「もっと精いっぱい生きてほしかったよ…。ももは、私が60歳になるまで生きてねっていったら、にゃ~っていってくれたし、私よりも長生きしそうな顔しているのに、これはあんまりだ…」
父親は溜息をつく。
「いくらなんでも、そりゃあ、無理だろう…」
「いや、ももなら出来たはずなんだ。不可能を可能にする猫だったんだから」
不毛なセリフだ。わかっている。それでもいわずにはいられない…。
「ももは、猫としては長生きだぞ…。ちーちゃんは10歳だったんだしな、随分長く生きたよ、19年だぞ? かなり長生きだぞ?」
「何年生きようが死んじゃえば、みんな早死ににしか思えないよ…。死んでしまえば永遠のサヨナラってことは、何年生きてもそれは同じだし…。いや、わかっているんだ、でも納得いかないよ、多分納得はできないよ…」
父親とぐたぐた話しながら時は過ぎた。

ももはどんな気持ちで見ていたんだろう…?
わかるはずはない。生きているならともかく死んでいるのでは、どうにもできない。
それでも、「しゃ~ね~な~、この人達は…。」と思いながら見ていてくれたような気もした。
ももは、家族思いの優しい猫だ。だから、死んでもそのまなざしは優しく、私達一家をみていたんではないかと思う。

こうして、時は流れていく…。物凄く、早く時は流れた気がした…。



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ももとの最後の思い出ー回想記4 に続きます。

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