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        ここは“にゃんこのしっぽっぽ-猫的徒然話”です。 ここでは猫好きな管理人の趣味大爆走で御送りする、 ねこねこしたブログになっていくでしょう。 ちなみに、やはり愛猫ももちゃんが出現する率は高いです。
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HN:
ささら 由羅
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女性
趣味:
創作とか♪多趣味。
自己紹介:
どうも、ささら由羅と申します。COOLな猫好きな人間です。(まわりの人間いわく猫狂い、猫キチガイ)。
愛猫は、ももと申します。可愛らしく、そしてナカナカ気のつよ~い女の子でございます。どうぞ、よろしくお願いします。
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ももとの最後の思い出ー回想記8

続きます。

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11月30日 もも‐寺に着く…、そして…

車から出るのが嫌だった。物凄く嫌だった…。
もう、問答無用でももは、真白な骨になってしまうのだ。そう思うとまた泣きたくなった。
火葬をするのだから当たり前だといっても、わかってはいるものの、それは残酷でしょうがなかった。えらく無慈悲で残酷に思えた。

「ももを燃やしたくないよお…」
車から出たものの、ももの入った棺桶を抱きしめる。
「おいおい、行くぞ…」
父親があきれて寺に向かう…。母も確か着ていたと思うが、全然覚えてない…。(母は別の車で寺に来ていた)

(いきたくないよ、いきたくないよ、いきたくないよ…)

涙がまたこぼれそうになる。もう聞き分けの悪いガキのように、泣き崩れそうになる。
9時の予約をして、寺に来たのに、ここで、私がももを抱きかかえたまんま、どこかへ逃走したらシャレにもならないだろう。
そんなことをしたって、ももは喜ばない…。何も解決しない。
そんなことはわかっている。
それでも、そんな考えは浮かぶのだ。ももの死を納得なんかできやしないのだ。

泣きそうになりながら、ももの棺桶を抱きしめながら、歩いていく…。
もう、ももを抱っこするのは、これが最後なのだ。もう二度とももを抱きしめることはない。
二度とない、永久にない…。
棺桶はやたら重いようにも、やたら軽いような気もした。

「おはようございます」

お寺の坊様の声がした。張りのある声だ。
寺の中にある火葬場に、来たくもないのに、私とももは付いていた。
火葬場は以前来たときよりも新しく大きなものとなっていた。
そういや、ここに来るのもずいぶん久しぶりのことだったんだと思う。20年ぐらい前の話だ。
えらく昔である。以前うちの猫のちーちゃんが死んだ時以来なので、そりゃ、随分経っている。
その長い期間、ももはももとして生き続けてきたのだ。
火葬場が新しくなろうが、なんだろうが、悲しいものは悲しいのだ。それは変らない。
そんな事実を漠然と感じながら、台の上にももの棺桶を置き、蓋を開けた。

ももは相変わらず、静かにのんびりとリラックスしている顔で寝ていた。
流石に起きないともう骨にならなきゃいけないというのに、呑気にこのあとに起きる現実なんて全く知らぬげに寝ている。永遠に寝ている…

(ももちゃあん、起きてよ…。起きないとお前、骨になっちゃうんだよ…?)

そんなことを思う。わかってはいるのだ。
でも、思わずにはいられないのだ。私は耐えられないのだ。こんな可愛いももが、あと少しで、真っ白な骨になってしまうのが信じられないのだ。
正しくは信じたくないのだ。
もう見ることは叶わなくても、この可愛らしいももの姿を、御骨の姿にしてしまうのが嫌だった。えらく惨いことに思えてならなかった。

こんなにも可愛いももの顔、こんなにも賢くて理知的で愛らしいももの目、
私の声を聴いてくれていた可愛くて大きな耳、以前交通事故にあったせいで、ほんのちょっとだけ切込みが入っている。
柔らかく優しいももの肉球、長くて綺麗で、私をじゃらそうとしていたもものしっぽ、
普通の猫ではまず出せない、強烈な猫パンチを繰り出したももの実はちょっと逞しい手、
時々、いや結構の頻度で、2足歩行をくりだして驚かしてくれた足、強烈な猫キックを、シャンプーしてやる時にくらわしてくれもしたっけ…。
優しくもふもふしていて、なんとも安らいだもものお腹、なでなでをいっぱい要求したっけ…。
ほんわかしてなんともいえない、ももの香りがしたなあ…。

そんなももの愛しい体が、もう消えてしまうのだ…。
もう機能しなくても、動かなくてもいいから、ここにずっと置いておきたかった…。
わかっている。ほっとけば腐っていってしまい、それこそ惨い姿になる。臭くなる。
いや、仮に冷凍しておくといったって、ずっとそのままの姿で置いておくといったって、
きっと私は耐えられなくて、壊れるだろう…。
それはわかっているのに、辛かった。
キツつて、狂って、壊れそうだった……。

私にできるのは祈ってやることしかできないのだ……。

(ももが安らかに天国へ行けますように…)

そんなことぐらいしか、私にはできないのだ。それこそ何も…。

手を合わせて、坊さんの御経を泣きながら聞いた。
勝手に涙が出てきた。情けないが、勝手に涙は出てくるのだ。
坊さんの経を唱える声が、ももが死んだんだと納得させるように、なんだか響いた。

(どうぞ、ももよ、安らかにね…)

ももよ、私もいつかそちらへ行くのでしょう…。
ただまだ死ねないから、待っててね…。
私がそちらへ行く時には、迎えに来てね。
その時には何か、君の好きなものをお土産に用意しておくよ。
しばらく、お別れだね…。

(19年と4カ月、ももちゃん、お疲れ様です…)

そんなことを、思いながら、祈りながら、手を合わせる…。そんなものぐらいしかできない
…。

御経は長かったのか、短かったのか、覚えていない…。
ただただ、もものことを思っていた。

やすらかにももが天国へ行けるように…。

途中で、線香もあげたような気がする。
ももの魂の安寧を祈って、線香の煙の消えゆくさまを、何故か見ていた…。
本当に妙に見ていたのだ…。

本当にももは死んでしまったのだ。いやわかってはいる…。
だが、このどうしようもない悲しみはどうしたらいいのだ???
ももの死がわかりたくない気持ち、ももの死を認めたくない気持ち、どちらにしろ、
悲しい、悲しい、悲しい…。

何故、私を置いていくのだ?

ずっといっしょだといったじゃないか…。ずっと一緒にいるって約束したじゃないか…。
私が60歳になるまでは生きてる予定じゃなかったのかい?
まだまだ私が60歳になるには、遠すぎるぞ。まだなのに…。

人間はどうして、長生きなのだろう?泣けてくる。
私の人生の大部分にももは接してきたことになる。ずっと私のそばで、私や家族を見守ってくれていたももなのだ。

あんなに暴れん坊で可愛くて、賢くて、人間臭くて、素敵なももちゃんだったのに、もう今は
物言わぬ躯になっている。
子猫の時から、大人の猫になり、いつのまにか、ばーさま猫になり…、けれども、いつまでも若く逞しい美しい猫だった。
まるで、年取ることなどを忘れたかのように、いつまでも綺麗で若くて、パワフルで可愛くて、
そして、優しい猫だった…。

ももよ、こんなに素敵でかわいい猫いないぞ?

可愛くて、素敵なまんま、あの世にいってしまったのね…。
私は、君を失って、ただただ慟哭するしかないのだ…。


御経が終わり、最期にももに言葉をかけた…。もういよいよなんだなと心がバキバキと痛い。

「ももちゃん…」
最期のなでなでだ。ももの頭を撫でで、顔を撫でる…。
もう、硬くて、ヒンヤリして硬くなって、猫ではない物体になってしまったような気がした。
ぐしゃぐしゃ泣きながら、ももを撫でた…。
もう、諦めて骨になるのを見送るしかない…。もう、ももは…。

(最期のなでなでだよ…)
いっぱいなでなでをしたようにも感じて、ほんの少ししかなでなでをしてないようにも感じた。
この時間は長い様な短い様な不思議な感じがしたが、やはり短かったと思う。
ももは、いつものように、満足そうに笑っているように見えた。
私はぼろぼろに泣いて見苦しいことこの上ないのに、ももは最後までどこまでも、美猫なももだった。綺麗な顔で、柔らかに穏やかに笑っている。
いつものように、柔らかい、なんともいえない可愛い顔で眠っている…。
もう、これで、ももの姿を見るのは最後だというのに…。

いつものように、ふにゃあとした、それでも可愛い顔を、何も崩すことなく、そこにいる。

「もも、19年と4カ月、お疲れ様でした。もう、私は、悲しくて悲しくて仕方がないよ」
私は知らず知らずのうちに言葉をかける。
もう魂のないももに、私はいうのだ…。

「さよなら、もも…」
こんな言葉吐きたくなかった…。

「もも、しばらくお別れだね。私は待っているからね。君が来るのをまっているからね」

そんなことをいってまた泣いた。
なでなでしながら、そんなことをいって泣いていた…。

(泣くなよ…)
そんなことをいいそうな顔をももはしている気もした。
この子は、そうだ。私が弱音はいてたり、情けなかったりすると、そんな顔をして、私を見て、
応援してくれる優しい猫だ…。

(御骨になってしまうのに、無茶いうなよ…)
私は泣くしかない…。私を置いて、ももは逝ってしまったのだ…。

(ももちゃん…)

もう、言葉にも何もできなかった。悲しくて、悲しくて仕方がない…。
こんなにもシャレにならないのは久方ぶりだ。
友人が亡くなった日も、慟哭してなんとも、悲しくて、悲しくて仕方がなかったことを
唐突に思い出す。でも、その時は、ももがいた。
ずっと、優しく寄り添っていてくれた。そんなももは、もういない…。
哀しみを癒してくれた。生きていこうねとそばにいてくれた…。

でも、そんなももは、もういない…。もういない…。もういない…。

泣くしかできない。泣いても何も解決できないことなんか、嫌でもわかる。
けれど、それ以外に、私は何もできないのだ…。
ただの人間である私は、死者であるももを見送ることしかできない…。

「またね…」
サヨナラは残酷すぎる気がした。 そういって、私はももから離れた。

父も母も、私の後に、いや、前だったか…?なんだか、はっきりしないけれど、とにかく、ももに触れて、何かを話していた。が、何も私は記憶していない…。
きっと、ももへの言葉を話していたんだろうというぐらいのことはわかるけど…。


お別れの時間は過ぎた。あっというまに過ぎた…。

(ももちゃん…)

こうして、ももちゃんは火葬炉の中に入れられ消えていく。
扉が閉まって、もう二度と可愛い姿は見れなくなった…。
火葬炉の扉が閉まる音が、無情に響いた。

あとは、ももが御骨になるのを待つだけだ…。


すべてが無情だった。えらく酷く無情で、虚無でどうしようもなかった…。


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ももとの最後の思い出ー回想記9 に続きます。

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