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        ここは“にゃんこのしっぽっぽ-猫的徒然話”です。 ここでは猫好きな管理人の趣味大爆走で御送りする、 ねこねこしたブログになっていくでしょう。 ちなみに、やはり愛猫ももちゃんが出現する率は高いです。
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ささら 由羅
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女性
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創作とか♪多趣味。
自己紹介:
どうも、ささら由羅と申します。COOLな猫好きな人間です。(まわりの人間いわく猫狂い、猫キチガイ)。
愛猫は、ももと申します。可愛らしく、そしてナカナカ気のつよ~い女の子でございます。どうぞ、よろしくお願いします。
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ももとの最後の思い出ー回想記11

続きます。

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11月30日 猫は訴える…?

ももが御骨として、姿を現すのは、あとほんの少しの時間になっていた。

そこで、よくよく考えると不思議な現象にであった。

火葬場の外に出ていても、できることなんて、黄昏ることぐらいである。
椅子代わりにおいてある、大きな石に座って、空を見上げてもあいにくの曇り空だ。
もっとも、どんな天気だろうとなんだろうと悲しいものは悲しいのだ…。

そんな私を見ているものがいた。それは恰幅のいい三毛猫であった。

その猫は、どうしたんだい?といわんげに、私の傍に寄り添うように来てくれた。
そのしぐさが、ほんの少しだけ、ももに似ていて、なんだかまた泣けた。
よしよしと、いわんげにその猫は、頭を擦りつけてくれている。

猫は優しい…。愛猫をなくして泣く人間によりそってくれもする。顔を合わせたのは初めての猫だが、優しく、そっとすりすりしてくれた。

(猫はやさしいよ…。ももだって優しいのだ。そりゃ当たり前なのかもしれないけれど…)

「ありがとうねえ…」
私はその三毛猫をなでた。生きた猫の毛がなんだか愛しく哀しかった。
ちょっと前まで、ももをなでなでしていたのに、もう私は、ももを撫でることもできやしない…。もう二度とできやしないのだ…。
三毛猫は私を見ながら、撫でられて目を細める。まるで、よしよしといっているかのように。

「うちにはね、サバトラの可愛くて賢いももっていう猫がいたんだよ…。でもね、死んじゃったんだ…。あっというまに天国へ行っちゃったんだよ…」

撫でながらいう言葉は悲しい言葉でしかない。なんで、初対面の猫に私は悲しい話をしているのだ。この場所が寺だからか?
一体、私は何回泣いたら気が済むのだろう? また涙はあふれてきそうになる。
三毛猫はそっと私の手に頭をこすりつけた。
「わからないか…、そりゃそうだよな…」
そういいつつ、どこか、この猫が私のいっていることを理解しているように見えた。
三毛猫は私をそっと見ると、おもむろに鳴いた。

「げこっ」
一瞬、涙がぶっ飛んだ。思わず三毛猫を見る。
(えっ!?)
三毛猫はどうした?といわんばかりに、私を堂々と見ている。そして、
「げこげこっ」
と鳴いた…。

………。 ええっと、あなた、猫ですよねえ???

「猫がカエルの鳴き声をしている~っ!??」
母親が素っ頓狂な声をして、こちらにどすどすとやって来た。
「ええっ!?今、由羅、お前が鳴いたんだよな???」
父親はちんぷんかんぷんなことをいう。
「誰が、寺で猫を撫でながら、カエルの鳴きまねする奴がいるんだよっ!??」
我ながら、妙な事を言っているとは思うが、猫がカエルの鳴き声をしたのは事実なのだ。
三毛猫は我ら3人を見て、また鳴いた。
「げこっ」
なんでもないように、当たり前に三毛猫は鳴いた…。

「えええええっ!???」
バカでかい声をあげて母は吃驚して、父は呆然としている。
「猫がカエルの鳴きまねしているなんて…」
腑に落ちないような、なんともいえない顔を父はしていた。無論、私も吃驚していた。
確かに、吃驚していた。
だが、どこか妙に納得もしていた。容赦なく自然に納得していた。
三毛猫は私を見た。
と一瞬、くらっとふわっとなったみたいだった。ちなみに、ここからちょっとの間、どうにも不可思議な現象が私の中で起こる。

「カエルの鳴き声を猫がするのはあたりまえなんだよ」
ちなみに、このセリフの声を出したのは私である。
が、変であった。私は声を出すつもりなんてなかったのだ。出しているつもりもないのだ。
が、勝手に唇といい口といい、動いていたのだった。
(あれっ!!???)
なんていうか、自分が動かしているつもりは無いのに、勝手に動くのだ。
(私じゃないぞっ!?)
私は、違和感を感じるがどうにもできない。

(ももっ!!?)
瞬間的にそう思った。
この時の感覚は未だにどうにも形容し難い…。どう表現していいのかわからないし、今まで経験もないし、何とも不思議な感じだった。
どうにも、信じられない現象だが、確かに私の身に起きたことだ。
私の意志とは関係なく、口は言葉を紡いでいくのだ。まるで、私のように…。

「よみがえるだから、カエルの鳴き声なんだよ」
「はあっ!?」
「へえっ!?」
私の言葉(!??)に二人は私を見る。恐らく、この二人からしたら、私がしゃべっているようにしか思わないのだろう。だが、違うのだ。私は声を出している感覚がまったくないのだ…。
けれども、私の声は勝手に紡がれていく。私の思いも何も関係なく。

「だから、生き返るから、蘇るんだ。戻ってくるのだから」
私の口が勝手に動く。

「ももが戻ってくるのか?」
父親がいう。

「それ以外、誰だというの?」
(ももがしゃべっているのか!??)
私にはそうにしか思えなかった。

「でなきゃ、カエルの声ださなきゃ、わからないでしょ?」
(…???)

つまり、もも…、君が蘇るから、カエルの声をこの三毛猫に出させたのか???

そう考えるしかない。こうかくと、どうにも、胡散臭く見えてしまうし、信憑性もイマイチに見えるし、むしろ、ブログにこんなこと書いて大丈夫かといわれそうだが、本当に不思議だった。

私ではないもの(ももにしか思えない)が、私の口を使って、私の言葉として言葉を発しているのだ。これは、なんともいえない。経験だった。私はちょっとの間憑依されていたのか???
不快ではなかった。ただただ奇妙ではあったけど…。

「だから、蘇るから、まってて… そういいたいんだよ」

そういうと私の口を動かしていたものは、消えていった。もう、私の口は自由になったけど、
どうにも、なんか喋る気にはなれなかった。

「げこげこっ」
と、傍らに来ていた三毛猫が鳴いた。その目は何かを訴えているように…。
この猫には見えているのか???

(ももなのか、いや、この場合、どう考えてもももだけど…)

私はそう思うしかできないし、そう思いたかったわけである。
ももは、このままでいるつもりないから、予告してくれたんじゃないだろうか…。
私を元気出させてやろうとも思ったんじゃないかな…。

だから、こんなことをしたんじゃないだろうか…。

だから、寺にいた猫に、協力を頼んで、こんなことをしたんじゃなかろうか……。

だとしたら、ももはものすごく頑張ってメッセージを残してくれたんだなと思う。
何せ、猫が嫌いな猫のももである。それでも、そのももは、私達にメッセージを伝えるために、この三毛猫に、カエルの鳴きまねをさせるように頼んだんじゃなかろうか…。
で、うちらが、イマイチわかってないみたいだから、今度は私の口に憑依して、メッセージを伝えたんではないか…。

そんな気がする。そう信じている…。

ももは、愛情深い可愛い猫なのだ。そのくらいはしてしまう。そんな気がする…。

三毛猫はなんだか、すべての真相を知っているかのように、私を見て目を細めると、またげこげこっと鳴いた。

(うん、わかったよ… もも…)
「お前はももちゃんの思いを伝えるためにきてくれたのか…???」
三毛猫は目を細めて、ごろごろと喉を鳴らした。そして、三毛猫をなでていた手にぐりぐりと頭をすり寄せた。
「げこげこっ」
猫がカエルの声を出す。そんな現象さえないのなら、ただの猫が戯れている姿なのだろう。
考えてみると、最近猫に触ってないことにかが付いた。
ももは、私が他の猫を触ってくるのを嫌うのだ。そのためもあり、私はもも以外の猫をさわることは、あんまりないのである。
「そんな匂いつけてくるんじゃありませんっ!!!」
そういいたげに、ももは焼きもちを焼いて、他の猫の匂いを消すためにぐりぐりとすり寄るのだ。怒りのスリスリである。
それを思いだして、また泣きそうになる。

(ヤキモチ焼いて、怒りのスリスリしてよお…)
ももの焼きもちが酷く切なくて、酷く愛しくて、とてつもなく哀しい…。

(もどってこいよ、もも…)
そんなことを祈るぐらいしかできやしない……。
泣きそうになりながら、三毛猫をなでなでする。 ももとは全然違う感触、それでも猫の感触…。三毛猫はどこまでも優しくすりすりをしてくれた。

そして、最期のももを見る時間がやってくる。

こんな時間、来てほしくなかった……。
こないでほしかった時間だ。まだ、こないはずの時間だったのに、今、私はその時間のなかにいるのだ…。

ももの生きていた時間、それが愛しく哀しい、哀しい、哀しい…。

求めてなんかない、望んでなんかいない時が来た…。


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ももとの最後の思い出ー回想記12 に続きます。

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